「理想」があるフィンランド

理想に向けてどんどん動く

フィンランドは「ああしたほうがいい、こうしたらいい」という理想を実現させるためにすぐに行動する国だと思いました。

そう思ったエピソードを紹介していきたいと思います。

困っていそうな人がいたら話し掛ける

ヘルシンキ市内でのこと。

ツアーのフリータイムの夕方に、ツアー主催の高坂さんと僕を含む3人の参加者でフィンランド料理を食べようという話になりました。高坂さんが知っていたフィンランド料理店に行ってみると、たまたま定休日!みんなで「あらら~~」というリアクションでした。

そのときです、近くを犬とお散歩していたおばあちゃんが英語で、

「フィンランド料理が食べたいのね、近くに別のお店があるわよ」

と道を教えてくれました。

優しい!!フィンランド人のおばあちゃんも英語はペラペラなんですね。他にもいろいろと、訪れた先々で優しくおもてなししてもらいました。

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座りっぱなしは体に毒

2年ぐらい前からスタンディングデスクについての記事をSNSで見かけるようになりましたね。長時間座りっぱなしでいることは喫煙と同じぐらい体に悪いことらしく、原因は座っていると血の巡りが悪くなるからなんだそうです。フィンランドではそのことを考えて机や椅子を学校で導入しています。

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立ち姿に近い姿勢で勉強できるよう椅子が高く、机の高さは調整できます。座面が湾曲しているので太腿に負担が掛からないようになっています。また背もたれにしっかり腰が付くように座らないと椅子からずり落ちてしまうので自然と良い姿勢でいられます。

また時間割ですが、小学校のクラスではそもそも勉強時間自体が日本よりもちょっと短いです。

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授業時間自体短いから座っている時間も短くなりますね。

子供を先生に合わせるのではなく、先生が子供に合わせて授業をする

上の時間割を見て、単に時間が短いだけではないことに気がつくはずです。

やたらと X が多いですね。

この X の授業は科目横断型になっていて、先生は生徒の様子をよく観察して吸収しやすいものから教えます。

吸収しやすいものとは??

それは身近なこと。生徒が自分で観察できる現象がテーマとなります。

先生がいかに優れた指導が出来るとしても生徒が授業内容を理解するまでの時間をコントロールできるものではありません。早く理解出来ることもあれば、なかなか理解が進まないこともあるでしょう。またある作業にしていて完全に没頭しているときに、「時間だから」と切り替えて別のことをさせるのはもったいないことです。

そういったことから何をどれだけ教えるのかは、現場の先生に一任されています。だからこそ子供に合わせた授業を実施できるのです。とても難しいスキルが要求されるのでフィンランドでは大学院を卒業していないと学校の先生にはなれません。

フィンランドの授業はきっと理想に近いものですが、日本ではすぐには導入できないでしょう。このような授業の利点をしっかりと機能させるためには、これまでの日本の授業運営のスキルとは全く別のスキルが必要ですから。

フィンランドスタディーツアーのつながりで知り合えた大学生が、フィンランドの学校の授業についてブログを書いています。興味がある人は是非読んでみてください。生徒を指導する者として、とても刺激を受けます。

【これぞ!フィンランドの教科横断授業!】
– 女子大生の気まぐれフィンランド日記

また学習の速度には絶対に個人差があります。

その差を吸収するために20人のクラスと10人のクラスが存在し、学習が遅れている生徒は10人のクラスに入るそうです。学習が遅い生徒はそれだけ先生の目が届く環境で学べるわけですね。大きいクラスでも20人ですから、教育に注ぐ熱意を感じます。

人に教えると理解が深まる

勉強は教わるだけでなく、人に教えることも理解が深まります。だから授業は教わるだけでなく教える時間もあったほうがいいので、机はいつもグループになっています。生徒たちはだいたい相談しながら問題を解くそうです。

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上の写真は、給食の時間に撮影しました。机の上、散らかしっぱなしですね。

理想かどうか意見が分かれると思いますが、これを見て僕は嬉しくなりました。学校には食堂があり、生徒はみんな食堂で食事をします。写真のクラスの生徒たちは食事の後に教室に戻って、また同じ勉強を続けることが出来ます。一度片付けてしまうと再び集中した状態を作るのは大変だと思いますが、そのままならやっていたことを思い出すのは簡単ですね。

小中学校の見学では、あらゆる理想を取り込んでいると感心させられました。

資格を持っている人には、その仕事ができる能力がある

フィンランドは資格社会です。中学を卒業すると進路は約半分に分かれます。普通科の高校と、職業学校です。職業学校では資格をもらうために学ぶわけですが、資格を持っているということは、その能力を持っていることが理想ですよね。

ただ日本ではそうでない場合も多いと思います。だから理想だと言いたくなりますが、フィンランドでは現実のようです。

僕らが見学したのはオムニアという職業学校で、様々な資格が取れる学校です。例えばレストランのウェイターにも資格があり、資格がない場合よりも多くの給与がもらえるそうです。

学校で食事を頂きましたが、そこで働く学生さんたちに注文を取ってもらい食事を運んでもらいました。もちろんホテルの支配人のように蝶ネクタイをした先生が生徒たちの働きぶりをしっかりとチェックしていました。

また別のスペースには美容室のための設備が整っていて、僕が訪れた時にも3~4名のお客さんが髪を手入れしてもらっていました。

職業学校は実習の時間がとても長く用意されています。おそらく日本の新入社員が最初の数ヶ月で企業研修で学ぶようなことをフィンランドでは学校の実習として済ませてしまうのでしょう。実習が長く用意されているからこそ、資格をもらう段階で働く能力が身についていることを約束出来るんですね。

実習先に就職するケースがとても多いと聞きました。実習先は生徒が自分で連絡をして約束を取り付けるそうです。

子供がどんな人生を歩むのか想像できる方がいい

保育士は看護や介護についてどれだけのことを学ぶでしょうか?フィンランドでは、保育士、看護婦、介護士が学ぶことは共通している部分が多いそうです。

保育士になると子供のお世話を仕事にするわけですが、その子供がどのような人生を送るのか想像できる方がより良い仕事が出来るでしょう。だから日本では看護婦しか学ばないようなことも、保育士は学ぶのですね。

本物に触れる

フィンランドの公共の建物には必ず芸術的要素が取り入れられています。なぜなら建築の予算の1%は芸術のために使うという法律があるからです。小中一貫校や職業学校、地区センター、高齢者介護施設、学童など、どんな場所に行っても壁には絵がありました。

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芸術に触れることがどう理想的なのか僕には言葉にできないのですが、このルールは僕は素晴らしいと思います。

教育業界と他の産業界が連携している

職業学校にはコワーキングスペースのような空間がたくさんありました。

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上の2枚の写真は同じ空間を1階と2階から撮影しました。

職業学校のスペースには企業向けテナントもあります。この場所で先生、生徒、そして企業の人が交流することが出来るんですね。

例えば生徒がビジネスアイディアの話をしていたら、興味を持った企業の人がその話の輪に加わることも出来ますし、その逆も出来るでしょう。

また企業の人と先生が一緒にお茶をすることで、先生は企業がどんな人材を求めているのか理解できるでしょう。

「教育も時代の変化をしっかりとキャッチして内容が変わるべき」という主旨のことを僕は5年前にブログに書いたんですが、それが実現されてる感じです。

なんか懐かしくて恥ずかしいブログはこちら

まとめ

あれはどうなっていたらよいか、これはどうなっていたらよいか、フィンランドではそういったものを考えてどんどん実践されている、そんな印象です。日本では「出る杭は打たれる」から意見を言いづらい雰囲気あったり、島国だから変化に慣れていないのかもしれません。一方で、フィンランドは変化してきた国です。スウェーデンやロシアだった歴史、さらに独立後に内戦も経験しています。だから理想に向かって変化することに対して柔軟なのかもしれません。ちなみに2017年12月6日は、フィンランド建国100周年の日です。

今回は「理想」についての記事を書きましたが、その実現に向けて動くときのキーワードが「コミュニケーション」と「Learning by doing」です。

それらについても、またじっくり書きたいと思います。

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