【フィンランド教育から日本が学ぶべきもの】とある生徒からのインタビューに回答しました。

フィンランド

2012年に夏休みの課題としてインタビューに応じて欲しいと生徒から言われた時に書いたものです。

テーマは「フィンランドなどの教育先進国と日本の教育の比較」ということで、3つの質問がありました。

僕もフィンランド教育には興味がありまして、良い機会なのでYoutubeでBSの特集を見て、学び直してみました。

フィンランド教育は色々参考にすべきことがあると思います。

今回はインタビュー回答を転載するともに、生徒のみなさんにはフィンランドを模範として、この先どう学んでいけばいいのか、ということを考えてみて欲しいと思います。

参考映像↓

Q: 日本の教育はどうあるべきだと思いますか?

A: 教育の格差をなくすべきです

現在日本では、教育を受けられる機会が、子どもによって大きく違います。

例えば私立の学校に通うのにはたくさんのお金が必要です。

大学も、国立大学に通えば学費は安いですが、その分入るのが難しく、受験対策のための予備校に通うお金がどうしてもかかってしまいます(1年で1000万円かかる予備校もあります)。

そのため、いずれにしても家庭の経済力が高くないとレベルの高い教育を受けることができません。

同様に、いわゆる「落ちこぼれ」となってしまった生徒をどう助けていくかということも、まだまだ未整備です。

学校はだいたい30人以上が1つのクラスとして学びますが、その人数だと先生が全員をしっかりと見ることがどうしてもできません。

結果として、落ちこぼれてしまった生徒はそのまま放っておかれ、学力が上がらない原因となっています。

だから日本は、まず教育を受ける機会を均等にしていく必要があると思います。

その人が望む限り、どんなに貧乏であっても、そしてどこに住んでいたとしても、全員が教育を受ける機会を与えられるべきです。

いくら一部の人達の教育水準が上がったとしても意味がありません。

国民全員の教育水準が高まることにより、日本という国全体に対して効果があるのだと思います。

こう言うと、「日本は資本主義社会だから、お金を持っている人のほうが有利なのは当たり前だ」と反論されるかもしれません。

しかし、お金を持っていることと教育を受けられるかどうかということは、全くの別問題です。

例えば水道・電気・ガス。これらが、お金持ちの人々だけしか使えないとしたら、国の発展にとって大きなマイナスです。

このようなものを「社会的インフラ」と言いますが、教育も同じなのです。

最低限、誰もが自由に利用できるものでなくはなりません。

日本では現在経済不況です。これには色々な原因がありますが、その一つに日本が世界に誇れる技術や産業がなくなってきていることが挙げられます。

かつて、日本の高度経済成長を支えたのは、自動車製造などの日本特有の産業でした。

この先、日本が再び豊かになっていくためにも、平等な教育の機会をしっかりと確保し、国民の教育水準を高め、日本が世界に対して誇れる技術や産業をつくりあげる人材を育てていかなくてはなりません。

教育とは、我々の未来に対する投資なのです。

Q: フィンランドの子どもたちは、日本と比べてどういった様子ですか?

A: 自ら積極的に学んでいるのが印象的です

フィンランドの学校が日本と大きく違うところは、フィンランドでは学校の先生と生徒が自主的、積極的に学ぼうという姿勢を持っていることです。

フィンランドの教育は、生徒に対して「これを学びなさい」ということを押し付けてはいません。あくまで、生徒自身が自分の意志で主体的に学んでいけるように、色々な配慮がなされています。

そのため、フィンランドの子どもたちは日本と比べ、活き活きとしていて、楽しそうです。

「学校なんて行きたくない」とか、「勉強って面倒くさい」といったように感じながら学ぶより、自ら進んで学ぼうとしている方が学習の効果は高いはずだし、そして何より幸せです。

フィンランドの子どもたちは、きっと学校にいく事が楽しいのではないでしょうか。

Q: フィンランドのような教育先進国と比べて、日本の子どもたちはどうなっていって欲しいですか

A: 自分の意志で選び、進んでいって欲しいです

私は、教育において一番重要なことは、「自分の頭で考え、そして自分の意志で選ぶ」ことだと思います。

人は、他人から押し付けられたことに対しては、やる気が起きません。

お母さんから「勉強しなさい」と言われて、いい気分になる子どもはいません。

おそらく、勉強をすることの重要性は誰もが分かっているはず。それなのに親から指示を受けていい気分にならないのは、人から押し付けられているからです。

フィンランドでは、そのような「押し付け」をしないためにはどうすればいいかということを、国の大臣がずっと考えてきたそうです。

全体として1つのやり方を決め、それに全員従え!とするのではなく、各学校や教師が、自由に学習のやり方や内容を決めていいというようにしたようです。

その結果、学校の先生や生徒が、「自分で選ぶ」ことができました。

そして、やる気がアップし、世界1位の学力を持つようになったと言われています。

だから、日本の子どもたちにも、できるだけ自分で決めていくことが求められます。

しかしこれは、子どもたちだけで何とかすればいい問題ではありません。

学校で教えてくれる先生にも、考え方を変えることが必要とされるのです。

したがって、学校の先生と生徒がしっかりとコミュニケーションをとりながら、生徒が「自分にとって何が一番いいのか」を常に考えつつ、自分の意志で選んでいって欲しいのです。

子どもたちは皆、親や先生に指図されずに、自分のやりたいようにさせてくれ!と思っていませんか。

(人に迷惑をかけないのならば)自分の進みたい道を進むことはできるのです。

しかし、自分の頭でしっかりと考え、意見を言える子どもはそう多くはありません。

大人たちも、そんな子どもを見ていて不安になるのか、「考えてないんだったらこうしなさい」と、指図をしてしまうのです。

だから、自分の意見をしっかり言えるようになってください。

そして実際に自分の意見をきちんと他人に伝えられるようになりましょう。

そうすれば、あなたの望む環境というのは、案外簡単に手に入ります。

今、人からあれこれ言われてしまうのは、あなた自身にも改善の余地があるのですよ。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

桜井 啓太

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