英検ライティングパートの問題では何が問われるのか

英検のライティングは「自由」作文か?

英検では3級以降になると「ライティング」の試験が課されます。筆記試験の最終部分に登場し、受験者は総合得点で合格の基準を満たすだけでなく、このライティングの問題のみでも、一定以上の点を取らないといけません。「ライティングは100点中20点くらいの点数だったけど、他の部分でカバーして受かった」はできません。

そのライティングパートについて、ほぼ全ての参考書で同じような構成で書くことが推奨されています。主にアメリカで主流とされているエッセイ(小論文)の書き方で、「導入→主張→結論」の形を元にした書き方ですね。

この書き方にしたがってもいいし、自由に書いてもOKです。「自由に」書いて難しい時は、決まった型を参考にしましょう、という考え方です。

実際の「書き方」の型については別の箇所で詳しく説明することにし、この記事では、ライティングの問題文で「問われること」の方にも一定のパターンがあることを紹介したいと思います。

級ごとの問題内容

去年度3回分の過去問を見てみると、ある程度級ごとに問題がパターン化されているのがわかってきます。去年度3回分という限られたサンプルではありますが、やはりそれでも対策の目安にはなると思います。実際に見てみましょう。

3級:好みを理由付きで述べる

3級のライティングパートは、過去3回とも「Which do you like better, A or B?」の形になっています。実際に並べてみましょう。

Which do you like better, talking with your friends or talking with your family?
Which do you like better, nature or big cities?
Which do you like better, reading books or playing video games?

ポイントとしては、選択肢に挙げられているもののどちらを答えるか、は採点に影響しないということです。

たとえば、第3回の問題では、「読書とゲームをするのではどちらが好きですか」と聞かれており、「読書」と空気を読んだ解答が好印象に見えるかもしれません。第2回なら都会より自然、第1回なら友達より家族でしょうか。(書いていてそもそも怪しくなってきます)

しかし、英検は解答者の英語運用能力をはかるための試験であって、解答者の人徳(昨今では人間力になるのでしょうか)を問う試験ではないので、ゲームと答えてもなんら影響はありません。これは、準2級、2級…と級が上がっていっても同じです。

また、解答が必ずしも自分のことをほんとうに語っているかどうかも、採点官は基準にしません。

採点官がみるのは、書かれた英文が「首尾一貫した主張や発言になっているかどうか」です。

極端な例ですが、「私はゲームの方が好きです。なぜなら、読書の方が面白いからです。」のように解答が支離滅裂だと、減点になるでしょう。(文法とスペルが正しくかけていたとしても、この解答だとおそらく合格がもらえません)

また、例えば「本を通じて友達を増やすことができるから」という理由を挙げたとしましょう。これは、ゲームにも当てはまる理由ですが、「どちらにも当てはまるから」という理由で減点になることはありません。繰り返しになりますが、大切なのは、「解答の内容がそれ自体として首尾一貫しており、文法的に間違いがないか」という観点です。

準2級と2級:社会・倫理的な是非を簡単に述べる

準2級からの問題は、単純な好みから、何かの「是非を問う」という感じの質問に変わっていきます。具体的に問題を並べてみます。単語の数は、準2級が50〜60語、2級は70〜80語です。

準2級の問題を並べます。

Do you think parents should let their children play video games?(第1回)

 

Do you think it is better for students to study alone or in a group?(第2回)

 

Do you think it is important for students to learn how to give presentations at school?(第3回) 

https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p2/solutions.html

全ての問題で「あなたは…だと思うか」という点が共通していますね。また、3回中2回の質問文では「◯◯にとって、××は△△であると思うか」という形式も共通しています。

2級のライティングの問題では、「かくかくしかじか(という意見)の人が一定数いますが、あなたはそれに賛成ですか」と聞かれます。問題を並べます。

Some people say that too much water is wasted in Japan. Do you agree with this opinion?

 

Today, some people buy products that are good for the environment. Do you think buying such products will become more common in the future?

 

Some people say that playng sports helps children become better people. Do you agree with this opinion?

https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_2/solutions.html

準1級と1級:高度に社会・倫理的な論述

1級クラスになるとまた聞かれる内容は1段階ハイレベルになります。「動物を動物園で保管するのは許されることか」「日本は自国の史跡保護のために今より努力をするべきか」「日本の企業は外国人の社員を増やすべきか否か」(準1級)、「2020年の夏季オリンピックの開催国になることによる日本の利益は、全体的にプラスか」「現代世界において、大学の人文系学部の学位は妥当性を失っているか」「大量破壊兵器を世界的に禁止することは達成可能な目標であるか」(1級)といったことを論じなくてはなりません。

Is it acceptable to keep animals in zoos?

 

Should Japan do more to protect its historic sites?

 

Agree or disagree: Japanese companies should hire more foreign workers

英検公式ホームページ 準1級の過去問

Is a worldwide ban on weapons of mass destruction an achievable goal?

 

Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world?

 

Agree or disagree: Japan will benefit overall from hosting the 2020 Summer Olympics

英検公式ホームページ 1級の過去問

このあたりになると、中学や高校の教諭にとってもなかなか答えるのが難しい問題でしょう。1級になるとそもそも意見を述べること自体が難しくなっています。

また、些細な問題かもしれませんが、2級までにあった「…と思うか」という聞き方ではなく、「…であるか?」という直接的な聞かれ方になっています。これは、「個人の意見」を少し超えた、もう少し「客観的な論述」が求められるということだと、解釈できます。

準1級は「大学(院ではなく、学部4年間レベル)のレポートを、単語を調べながらであれば、英語で書ける」というレベル。1級は大学院のレポート・論文を英語で書ける、というレベルでしょう。それくらいの客観性が求められる、ということです。それなりにそもそも、社会情勢に通じていたり、そもそも知識がないと述べられない問題になっています。

難しいと思われるかもしれませんが、逆に、大学生で日本語のレポートを書くだけの論述力や知識がある人なら、英語の文法・読解力さえあれば、このレベルの英語が書ける、ということでもあります。

このレベル帯の試験対策には、非常にありがたい教材が発売されています。The Japan Timesから出ている『完全攻略』シリーズは、様々な問題で使える論述のパーツ例を豊富に載せてくれているので、それを実際に読みながら自分のものにしていくことで、対策が可能になります。

https://bookclub.japantimes.co.jp/book/b309521.html

丸暗記も可能ですが、すべて文字通りに覚えようとすると意気もそがれるので、参考にしながら自分の表現バリエーションを増やす勉強と思うといいでしょう。

まとめ

以上、英検の各級のライティングのパートが、どのような傾向なのか、また、級が上がるにつれどのように難しくなっていくのかを簡単にまとめてみました。実際の内容がどうであるのか、作文の際に表現をどう思いつけばいいのかなど、また機会があれば充実させていきたいと思います。

片岡 正義

この記事を書いた人

片岡 正義

主に国語・英語を担当。言語を理解する上での「からだ」と「あたま」の双方から楽しみを感じられるような授業をしたいと思っている。

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