中高一貫生にかかる学習塾費用の実態は?費用相場&費用を抑えるポイントを解説

中高一貫校に通うお子さんを持つ保護者の方で、学習塾に通うことを検討されている方もいらっしゃるでしょう。その際、通塾費用は最も主要な関心ごとのひとつになるかと思われます。
この記事では中高一貫生の通塾にかかる費用の目安と、費用対効果の良い塾選びについて書きます。
私立中学生の通塾費用は、年間約33万円
令和3年度子供の学習費調査(文部科学省) によると、中高一貫生の学習塾費用(年間)は中学1年生で約13万円、中学2年生で約18万円、中学3年生で約22万円です。
ただし、この数値は塾に通っていない生徒も含めた全ての中学生の平均値ということに注意が必要です。後に示すように、実際に塾に通っている人の費用の平均は必然的にこれより高くなります。
公立中学 | 私立中学 | |
---|---|---|
1年生 | ¥156,032 | ¥126,795 |
2年生 | ¥203,859 | ¥181,436 | 3年生 | ¥389,861 | ¥219,276 |
ごく簡単にこの表に言及すると、3年生における大きな差はやはり受験を反映してのものでしょう。私立では学年ごとの上昇は緩やかにはなっていますが、やはり少しずつ通塾の必要性が増えてくると言えるようです。
私立中学生の通塾率は54%
前掲の調査 の中学生の学習塾費の金額分布(年間)によると、公立中学生の29.6%、私立中学生の46.1%は塾に通っていない(塾の費用が0円)ことがわかります。逆にいえば、これは公立中学生の70.4%、私立中学生の53.9%が塾に通っていることを示しています。
「私立中高一貫校は習熟度別クラス編成や補習などの制度が整備されているため塾に行かなくてもよい」という言説があります。しかし上の数値をみると、確かに公立中生の方が塾に通う割合が高いとはいえ、半分以上の私立中学生が塾に通っているということがわかります。
そして、通塾層のみで平均費用を計算すると、私立生の通塾費用は年間約33万円(月額2万7500円)となります。公立について同様の計算をすると約36万円となり、実際に塾に通った場合の費用は、公立と私立で大きな差はないということもわかります。
公立中学 | 私立中学 | |
---|---|---|
0円 | 29.6% | 46.1% |
~1万円未満 | 1.6% | 1.5% |
~5万円未満 | 4.0% | 4.0% |
~10万円未満 | 4.6% | 6.1% |
~20万円未満 | 11.0% | 9.2% |
~30万円未満 | 10.7% | 10.5% |
~40万円未満 | 11.7% | 6.9% |
40万円以上 | 26.9% | 15.6% |
1円以上支出者の平均額 | 356,000円 | 326,000円 |
目的別に見た中高一貫生の通塾費用目安
塾にかかる費用は通塾の目的によって変わりますが、中高一貫生が塾に通う目的と費用の目安は以下のどちらかになるでしょう。
1.大学進学を見据えた先取り学習のため
費用の目安は集団塾の場合2~5万円、個別塾の場合3~8万円です。
中高一貫校入学後早い時期から、東京大学をはじめとした入学難易度の高い大学受験対策のために通塾するケースがあります。このようなケースでは、特定のカリキュラムを持つ集団指導塾が選ばれることが多いですが、個別指導が選ばれる場合もあります。
2.学校の授業についていくため
費用の目安は2~6万円です。
中高一貫校はカリキュラムの進度が速く、内容も高度になることが多いため、中1や中2の段階で学校の授業についていくのが難しくなることがあります。また、中等部では問題なかった科目が、高校に入ってから成績が下がってしまった、といったケースもよく見かけます。このような場合は、予め決まったカリキュラムを持たず柔軟に対応できる、個別指導塾を利用することが多いです。
個別指導塾は集団塾に比べ時間あたりの授業料が高めです。そのため、国数英3科目を全て受講すると授業料は高くなりますが、苦手な科目だけを受講して費用を抑えることも可能です。
横浜市の塾費用を比較
次に実際の通塾費用をみてみます。以下の条件で集団塾・個別指導塾の通塾費用をまとめたものを表に掲載します。
- 授業料 + 諸経費の月額費用(税込)の概数
- 中学3年生で週2回 or2科目受講
- 神奈川県横浜市から通える塾
塾の種類・コース | 費用例(月額) |
---|---|
難関大専門集団塾A | 34,000円 |
難関大専門集団塾B | 24,000円 |
難関大専門集団塾C | 52,000円 |
個別指導塾A(1対多数) | 42,000円 |
個別指導塾B(1対2) | 36,000円 |
個別指導塾C(1対1) | 42,000円 |
個別指導塾D(1対1) | 63,000円 |
個別指導塾ティーシャル(弊塾・1対2) | 33,600円 |
塾によってばらつきはありますが、集団塾は2~5万円前後、個別塾は3~6万円前後であることがわかります。
もちろん、受講回数によって金額は大きく変わります。また、当然ながら費用はそれによって受けられる対価によって判断されるべきです。塾によって授業内容・授業時間・授業以外のサービス・立地などの条件が異なりますから、実際に塾を選ぶ際は総合的な判断が必要です。
塾を選ぶ際に気をつけること
次に、塾選びの際に費用面に関して気をつけておくべきことを2つ紹介します。
1. 費用総額を把握する
一般に、塾に通うと以下の費用がかかります。
- 授業料
- 月施設利用料/管理費等の月額固定の費用
- 入会金(入会時のみ)
- 教材費
- 模試受験費
- 季節講習費
- その他、受験前の特訓や合宿などの費用
月施設利用料/管理費等は金額は2,000~3,000円/月になることが多いです。塾によっては授業料に含まれていることもあります。
入会金は入会時のみ発生する費用で1~3万円が目安になります。紹介や兄弟割引などのキャンペーンで割引されることもあるようです。
模試代は1回の受験につき5,000円ほどが目安になります。受験生であれば定期的に模試を受けることをお勧めされると思いますが、中高一貫校の中学生の場合は模試は受験しないことが多いでしょう。
教材費は、市販教材・塾専用教材・オリジナル教材のいずれかを購入する場合に発生します。集団授業では基本的に教材費が必要となります。学校補習を目的とした中高一貫生の個別指導の場合は学校の教材を使用するケースが多く、その場合は教材費がかかりません。ただし、遡り学習をするために1冊2,000円程度の塾専用教材を購入することもあります。
季節講習費は春期・夏期・冬期講習など、学校が休みになる期間の追加受講にかかる費用です。(詳細は後述)
塾によって費用体系が異なります。各塾のウェブサイト等で、かかる費用の総額を確認しておきましょう。
ここでひとつ問題が発生します。集団塾・予備校・個人塾の多くはウェブ上で授業料を公開しているのですが、大手個別指導塾の多くは授業料を公表していません。個人情報を渡して費用を問い合わせる必要があります。
2. 季節講習のシステムと費用を把握する
通常、塾には季節講習があります。とくに夏期講習は期間が長いこと、冬期講習は受験直前であることから授業の回数が多く、費用も高くなりがちです。
集団塾の季節講習は、通常授業がなくなり季節講習用に用意された講座から何を受講するか選択する形式になることが多いです。
例えば、2日間で1万円のコース・4日間で2万円のコース・8日間で4万円のコースが用意されており、選んだコース×科目数の費用がかかる、といった具合です。
他方、個別指導塾の季節講習では、毎月の通常授業は継続しながら任意のコマ数の追加受講が可能、というシステムが多く採用されています。ティーシャルもこの制度を採用しています。
そのため、個別指導の季節講習費は個人差が大きくなります。対照的な例として、季節講習は受講せず通常授業のみにすることもできますし、受験や検定対策、まとまった予復習などのために大幅に受講数を増やすことも可能です。
講習費用をまとめたものを以下に示します。
塾の種類 | 受講例 | 費用 |
---|---|---|
難関大専門集団塾A塾 | 240分 × 5日間 | 40,000円 |
難関大専門集団塾B塾 | 180分 × 5日間 | 30,000円 |
個別指導塾A(1対2) | 80分 × 8回 | 34,000円 |
個別指導塾ティーシャル(弊塾・1対2) | 80分 × 8回 | 37,000円 |
通塾費用を抑えるために
塾の費用を抑える基本的な方法は以下のようになるでしょう。
- 目的や学力に合った塾を選ぶ
- 受講する科目を絞る
- キャンペーンや割引制度を利用する
これらについては塾を探す際に自然と考慮することだと思います。
これとは別に、講師としての経験から言える、費用を抑えるための観点がひとつあるとすれば、それは「生徒の自習スキルを鍛える」というものです。
塾講師として生徒に接して10年以上になりますが、それによって得た認識の一つは「自習には技術がいる」というものです。
自習における生徒のパフォーマンスにはかなりの差があります。その要素としては、授業のない日に自習に来る頻度や、自習中の勉強時間と休憩時間の切り替え、演習と丸付けの精度、質問に来る頻度などです。
自習の質・量が高い生徒と低い生徒がいた場合、同じくらい成績を上げようとすると、どうしても必要な授業数に差がでてしまいます。
自習のサポート
では、質の高い自習をするために何か保護者ができることはあるでしょうか。
先に自習とは技術であると言いました。自習のプロセスを分解すると「勉強場所に行く→勉強内容を決める→勉強し始める→わからない問題に対処する(とばす・答えを見る・誰かに聞くなど)→丸付けする→復習する」のようになります。
もし、この中にお子さんがサポートを必要としているものがあれば、それをケアすることが自習の質やスキルの向上につながるでしょう。
将来大学受験を控える中高一貫校生にとって、質の高い自習ができることは必須のスキルです。お子さんの必要に応じて、ぜひサポートを検討してみてください。
私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。
受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。
私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。
「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。