東京歯科大学の入試分析と対策【一般入試】

東京歯科大学の校舎

東京歯科大学の一般入試(共通テスト利用を含む)の傾向と対策についてお伝えします。

基本情報

まずは日程・方式・科目・偏差値など基本的な情報を確認しましょう。

日程と方式

東京歯科大学の一般入試は2月(Ⅰ期)と3月(Ⅱ期)に1回ずつ実施されます。

方式は「個別学力試験 + 面接 + 小論文」の一般選抜と「共通テスト + 面接 + 小論文」の大学入学共通テスト利用選抜の2種類です。

2025年度の入学試験日程は以下の通りです。

2025年度東京歯科大学入試日程
入試区分 試験日
一般選抜(Ⅰ期) 2025年2月2日(日)
大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ期) 2025年2月2日(日)
一般選抜(Ⅱ期) 2025年3月8日(土)
大学入学共通テスト利用選抜(Ⅱ期) 2025年3月8日(土)

Ⅰ期・Ⅱ期ともに一般選抜と共通テスト利用選抜は同日に実施されます。一般選抜と共通テスト利用は同じ期であれば併願することも可能です。

参照:入試案内 | 東京歯科大学

学力試験の科目・配点・合格最低点

2025年度の学力試験の科目は以下の通りです。
配点と合格最低点は非公開です。

2025年度東京歯科大学入試学力の試験科目
入試区分 科目 配点
一般選抜(Ⅰ期) 英語
数学(範囲はⅠAⅡB)
理科(物理・化学・生物から1つ)
小論文
面接
非公表
大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ期) 英語
数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B・数学C
理科(物理・化学・生物から1、もしくは物理基礎・化学基礎・生物基礎から2)
小論文
面接
英数理はそれぞれ100点
小論文・面接は非公表
一般選抜(Ⅱ期) 英語
数学(範囲は一般選抜Ⅰ期と同様)・物理・化学・生物から1つ
小論文
面接
非公表
大学入学共通テスト利用選抜(Ⅱ期) 英語
数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B・数学C
理科(物理・化学・生物から1、もしくは物理基礎・化学基礎・生物基礎から2)
小論文
面接
英数理はそれぞれ100点
小論文・面接は非公表

一般選抜Ⅰ期・共通テスト選抜の学力試験科目は英語・数学ⅠAⅡBC・理科の3科目、一般選抜Ⅱ期のみ英語・数学と理科から選択の2科目となっています。マーク式だけでなく、記述式の問題が出題されます。

英語は実際に音声を使ったリスニングテストは行われないことが予告されています。

一般選抜の選択科目は試験日にその場で選択します。

また、全ての試験で小論文・面接が実施されます。

倍率

一般選抜・共通テスト選抜の倍率は以下の通りです。

2023年度 東京歯科大学入学試験の倍率
募集人員 志願者数 受験者数 合格者数 倍率(対志願者)
一般選抜(Ⅰ期) 約50 358 323 84 4.26
一般選抜(Ⅱ期) 約15 169 133 21 8.05
共通テスト利用選抜(Ⅰ期) 8 152 137 47 3.23
共通テスト利用選抜(Ⅱ期) 5 24 18 6 4.00

Ⅰ期は募集人数に対して30~40名、Ⅱ期も若干名多く合格者が出ています。

一般入試の倍率は把握しておくべきですが、倍率の高低は合格の難易度とは関係ありません。志望校決定や受験勉強においては、いかにして合格ラインの学力をつけるかに意識を向けましょう。

参照:過去の入試結果 | 東京歯科大学

偏差値・共通テスト得点率のボーダーライン

偏差値と共通テスト得点率のボーダーラインは以下の通りです。

東京歯科大学ボーダーライン・偏差値
河合塾 ベネッセ
Ⅰ期・一般選抜・偏差値  52.5 62
Ⅰ期・共通テスト選抜・得点率 68% 72%

河合塾は合格可能性が50%、ベネッセは7月の進研模試で合格可能性が60%になる偏差値・共通テスト得点率をボーダーラインとしています。

参照:
入試難易予想ランキング表 | 志望校をさがす | 河合塾 Kei-Net
東京歯科大学/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報

数学の傾向と対策

それでは科目ごとの傾向と対策を見ていきましょう。まずは数学からです。

傾向と難易度

大問3問構成で、大問1は小問集合で解答のみの記述式、大問2・3は過程も含めた記述式です。ここ数年で出題傾向はほとんど変わっていません。

大問1の小問集合は、式の計算・二次関数・指数対数・確率・三角関数・図形・数列・整数など幅広い範囲が出題されています。中でも式の計算・数列は毎年必ず出題されています。

大問2は平面もしくは空間のベクトルに関する問題です。小問3問で簡単なものから始まり段階的に難易度が上がっていきます。

大問3は微分積分の問題です。放物線の接線→求積という典型的な問題が多いです。

難易度は教科書の応用例題〜章末問題レベルです。

試験時間は70分で問題量に対して十分といえるでしょう。

対策

基礎的な解法や公式を十分に理解しておくことが重要です。

どの範囲からもバランスよく出題されているため、満遍なく勉強しましょう。中でも、大問2・3で頻出のベクトルと微分積分は特に力を入れておくべきでしょう。

東京歯科大の問題は比較的易しいため、高得点勝負になることが予想されます。ですから正確に計算ができるようにしておかなければなりません。計算間違えを安易に「たまたま不注意でミスをした」と考えるのではなく、計算の原則を理解できているか確認するようにしましょう。

また、問題傾向が変わる可能性も考慮して、近年出題されていない集合と命題・データの分析もしっかり練習しておきたいです。数列と図形と方程式が記述で出題される可能性も考え対策できれば万全です。

記述問題は特別なことをする必要はありません。例題や模範解答を読む際は丁寧に一つ一つの記述の意味を理解するように努めましょう。理解が曖昧な箇所を放置してはいけません。

普段から途中式や立論の根拠を書くようにしましょう。また、記述の演習の際はできれば他人に解答を読んで評価してもらうことをおすすめします。

英語の傾向と対策

次に英語の傾向と対策をみていきます。

傾向と難易度

大問7問構成で癖のないスタンダードな出題がされています。

大問1・2は発音・アクセントから出題されています。

大問3は4択の空所補充問題です。語彙(単語・熟語・慣用句)を中心に文法問題も出題されています。大問4は語句整序問題です。与えられた和文になるように単語を並び替えて3番目と5番目を答える問題です。

大問5・6は読解問題です。文構造や表現は比較的平易で語数も400語程度と短めです。テーマは医療・自然科学関連の日常生活と関連しているものが多く、専門性はそこまで高くありません。

設問は前後の内容をもとに語彙の意味を推測する問題や、単語の定義や説明を示して、本文中から探す問題、英文和訳・本文の内容を日本語で説明する記述問題などが出題されています。難しい単語も少数登場しますが、文脈から意味を推測できるようになっています。

大問7は和文英訳(20語以内)です。

難易度は高校基礎~標準レベル、語彙は英検2級レベルです。

試験時間は70分で、問題量に対して十分な長さといえます。

対策

まずは基礎的な語彙・文法力をつけましょう。

単語・熟語は英検2級レベルを確実に、余裕があれば準1級レベルの単語・熟語も知っておくと望ましいです。

東京歯科大ではアクセント・発音単語が出題されるので、単語は必ず発音を確認しておきましょう。また『Next Stage』や『Vintage』の巻末には発音・アクセントのまとめページがあります。こちらも目を通しておきましょう。

長文対策は本番同様300~500語程度の文章で行いましょう。日常生活に関連する英文が出典になる傾向があることから、英検2級の長文問題や『全レベル問題集3』などがおすすめです。また、本文だけでなく選択肢を読む力も必要です。練習の際には正解でない選択肢も文の意味や正誤の根拠を確認しておきましょう。

入試本番が近づいてきたら『医学部受験の読解演習』などで科学的な文章を練習し、理系的な文章のトピック・語彙・構成に慣れておきましょう。

物理の傾向と対策

次に物理の傾向と対策をみていきます。

傾向と難易度

大問4問構成です。

大問1は小問集合です。出題数は3〜5問で力学・電磁気・波動・熱力学・原子分野と満遍なく出題されています。各分野の基本的な公式・用語の理解を問う問題が多くなっています。

空欄に入る言葉・値を選択肢から選ぶ問題と結果を記述する問題が出題されます。

教科書の基本レベルの問題であることが多いですが、2022年度に出題された単位を答える問題は、物理量の意味を十分に理解していないと解きづらい問題でした。

大問2〜4は力学分野、電磁気分野の問題一つずつと、熱力学・波動の一方から一つ出題されています。

力学は等加速度運動・力の釣り合い・運動量保存・モーメント・エネルギー・運動量・円運動・慣性など満遍なく出題されています。前半は基本的、後半はやや複雑な問題になっています。

電磁気は電荷の運動・コンデンサーなど、特に電荷の運動に関する問題がよく出題されています。一方多大で頻出である電気回路・導体棒が動く問題が出題されていません。また、交流分野からの出題もありません。力学と同様に前半は典型的な問題で難易度は少し難易度が上がります。

熱力学と波動はどちらかが出題されています。

熱力学は可動壁のある容器やシリンダーないの気体に関する問題が多く出題されています。

波動はヤングの実験・ドップラー効果・波の式に関する問題が多く出題されています。

試験時間は70分です。各大問の前半で時間をかけすぎて、最後まで解答できないことがないように気をつけましょう。

対策

典型的な問題が出題されています。基礎〜標準レベルの入試問題集を解けるようになっておけば、安心して試験に臨むことができるでしょう。

満遍なく対策するのが前提ですが、もし優先順位をつけるのであれば、力学>電磁気>波動=熱力学>原子となります。

物理の学習は基礎的な原理原則の理解が大切です。問題集に入る前に教科書・参考書などで、学習する範囲の単元の物理量・単位・公式などを復習しておきましょう。この時点で100%の理解をする必要はありません。教科書傍用問題集の基本問題に対して手が動く程度の理解度で問題ありません。

次に『セミナー物理』『リードα物理』『ニューグローバル物理』等の教科書傍用問題集を解きましょう。各単元基本問題がスラスラと解けるようになるところまで繰り返します。

傍用問題集が終わったら『良問の風』などの実践問題集を解きましょう。東京歯科大では入試基礎〜標準レベルの問題が出題されているので、例えば『名門の森』のような難しめの問題集を解く必要はありません。

傍用問題集も実践問題集も復習を丁寧に行いましょう。少し時間をおいて解き直して自力で正解できるか確認してください。

過去問は教科書の学習を終えた時点で一度解いておくと良いでしょう。その際は結果そのものよりも、求められている学力レベルと現状のギャップを肌で感じておくことが重要です。実践問題集が解けるようになったら、最後は東京歯科大の過去問や似た傾向の過去問を通しで解き、苦手にしている分野や時間配分の確認をしておきましょう。

小論文の傾向と対策

傾向

4~7題の小問に分かれており、漢字の読み書き・四字熟語・語彙・時事問題などの小問と、小論文が出題されています。小論文の文字数は2020年までは400字、2020年以降は250字です。2022年は小論だけでなく、示された図形の作図方法を説明する問題が出題されています。試験時間は50分です。

小論の出題テーマ(Ⅰ期)

  • 2022:良い歯科医師となるために必要な学生生活の過ごし方
  • 2021:あなたが考えるCOVID-19の対策
  • 2020:高齢者医療の自己負担率を上げること
  • 2019:海外留学についてあなたの考え
  • 2018:超高齢社会における歯科医療の担うべき役割
  • 2017:小型無人飛行機ドローンの有用性

対策

小論文では受験生の何を評価するのでしょうか。公式HPには以下のように記載されています。

小論文 提示された資料に対する理解力、分析力、論理的思考力、文章表現力、基礎的知識等を評価するための記述式総合問題を出題する。

入試案内 | 東京歯科大学

受験案内に「理解力・分析力・論理的思考力・文章表現力・基礎的知識等」とありますが、実際に過去問題を見てみると「語彙力・基礎文章表現力・社会への関心」の3点が求められているように感じます。

漢字や現代文のキーワードを用語集などで語彙力をつけた上で、入試基礎レベルの現代文の問題を練習しておきましょう。

また、日々のニュースにアンテナを貼り、関心のあるトピックについて調べ、自分の考えを書き、誰かに伝えるという練習を高校2年生のうちから行うと良いでしょう。本番が近づいてきたら過去問での練習も行いましょう。

面接の傾向と対策

傾向

面接試験は5分程度の個人面接です。要項によると、志望動機・勉学意欲・アドミッションポリシーとの適合性等が評価項目になるようです。

面接 面接委員が、志望動機、勉学意欲等について質問し、アドミッションポリシーとの適合性を総合的に評価する。

入試案内 | 東京歯科大学

対策

受験案内の「アドミッションポリシーとの適合性」とは、「大学が求める人物像と合致しているかどうか」です。東京歯科大のアドミッション・ポリシーは以下の通りです。

入学者受入れ方針 (アドミッション・ポリシー)

 建学の精神である「歯科医師たる前に人間たれ」を基本に、人物・学力ともに優秀で、将来、国民医療に貢献する歯科医療担当者としての能力・適性を充分に有する人を求めています。

1) 医療人としての倫理観や高い人間性を、常に向上心をもって追求しようと努力している人。

2) 歯科医学を学ぶための充分な資質と基礎学力を有している人。

3) 口腔の健康管理を通し、国民の医療と福祉に貢献しようとする意欲がある人。

4) 様々な問題に対して広い観点から考え、判断し、解決しようと努力できる人。

5) 他者との協調を大切にし、主体性を持って多様な人々と協同することができる人。

入試案内 | 東京歯科大学

5項目のうち2は学力試験、3は小論文で評価可能です。であれば残りの1・4・5を面接で評価するということになるでしょう。

1・4・5を平たくいえば「理想の歯科医師を目指して他者と協調しながら主体的に努力できる人」を求めているといえます。

これを踏まえて「志望動機・入学後に力を入れたいこと・歯科医師としての将来のビジョン」の3つを自信をもって伝えられるように準備しておきましょう。

過去問の入手方法

東京歯科大学のHPで過去問は公開されていません。過去問演習を行うには赤本を購入する必要があります。

東京歯科大学 (2024年版大学入試シリーズ)

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まとめ

東京歯科大学の一般入試(共通テスト利用を含む)の傾向と対策についてお伝えしました。ポイントをまとめると以下のようになります。

  • スタンダードな出題で試験時間にも比較的余裕がある
  • 数学・理科は典型的な問題を確実に解けるようにすること
  • 英語・小論文は語彙力が重要


ぜひ参考にして本格的な勉強を始めてみてください。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。

私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。

「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

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