教材・本の紹介

Power Stage[パワーステージ]の特徴と使い方

Power Stageとは

Power Stage[パワーステージ]は、VintageやScrambleと並び多くの受験生に使用されている英文法・語法問題集です。類書の中でどれを選ぶかは好みの問題と言ってよく、1冊を通してやりきることで身につく力に差はほとんどありません。どれをやったらいいのかで迷う必要はないので、持っているものをきちんとやりきる気概を持ちましょう。

Next Stageとの関連性について

はっきりした情報がなかなか見当たらないのですが、Power StageはNext Stageの後継書であると見て問題なさそうです。どういった経緯でNext Stageの改訂版ではなく書名自体を改めて出版・発売しているのか、明確にはわかりませんが、作り手の意図として、①新傾向の試験に対応すること、②英作文問題を入れること、③Next Stage利用者から寄せられたコメントを解説に活かすこと、があったようです。

Power Stageの特徴

Power Stageの特徴をざっくりまとめると以下のようになります。

  • 受験定番の文法・語法問題書Next Stageの後継書
  • Next Stageと比べ、英文読解・英作文力をつける問題が追加
  • 中堅大〜難関大までしっかり合格点をとれる網羅性

Power Stageの基本情報

教材名
Power Stage英文法・語法問題
著者
瓜生豊
出版社
桐原書店
サイズ
A5判
ページ数
592ページ
価格
税込1518円(本体価格:1380円)
販売
市販教材

Power Stageの構成

Power Stageは、以下のような構成となっています。

  1. Part1 文法

    1. 第1章 時制
    2. 第2章 態
    3. 第3章 助動詞
    4. 第4章 仮定法
    5. 第5章 不定詞
    6. 第6章 動名詞
    7. 第7章 分詞
    8. 第8章 比較
    9. 第9章 代名詞
    10. 第10章 関係詞
    11. 第11章 接続詞
    12. 第12章 前置詞
    13. 第13章 主語と動詞の一致
    14. 第14章 疑問文と語順
    15. 第15章 否定・省略・強調
  2. Part2 語法

    1. 第16章 動詞の語法
    2. 第17章 形容詞の語法
    3. 第18章 副詞の語法
    4. 第19章 名詞の語法
  3. Part3 イディオム

    1. 第20章 動詞中心のイディオム
    2. 第21章 形容詞中心のイディオム
    3. 第22章 副詞中心のイディオム
    4. 第23章 名詞中心のイディオム
    5. 第24章 群前置詞
  4. Part4 会話表現

    1. 第25章 会話表現
  5. Part5 アクセント・発音

    1. 第26章 アクセント
    2. 第27章 発音

Power Stageの難易度

Power Stageの難易度は、構成が似ている他の問題集(Next Stage・Vintage・Scrambleなど)と比べて大きく変わりません。人によって感じ方はそれぞれという前提をおいたとしても、少なくとも文法問題書として有名な上の3冊の中で、どれをやったから不利で、どれをやったから有利というものはないと考えてください。

公式サイトでは、Power Stageのレベルは「中堅大学では「大きく差をつける」レベルまで、難関大学では「しっかりと合格点を取る」レベルまで到達可能です。」とされています。

その意味で、受験生なら必ず知っておくべきとされる知識から、いわゆる難関大で出た問題まで幅広く載っており、明確にレベル分けされていて(基本/無印/発展)、「最初は基本だけやる」などの使い方がしやすくなっています。

このようにPower Stageは中には難しめの問題も含まれています。もし、自分は文法が苦手だ、簡単な問題を解いて自信をつけたいという気持ちがあるなら、『Scramble Basic』などの明確に基礎的なレベルだけが載っている問題集を解くと良いでしょう。

どんな人におすすめか?

前提として、大学受験をする全ての人は、VintageやNext Stageといった文法・語法問題をどれか1冊持つべきだと私は思います。2020年度以降、旧センター試験の文法小問集合は姿を消し、形式として読解問題が増えるといっても、英文法自体が変わるわけではありません。

高校英語の基礎を一通り終えている人

文法・語法問題集といっても基礎から積み上げていくためのものではなく、過去問から頻出テーマを集めた実戦問題集です。学校の授業をそれなりにきちんと受けていて、授業課題などで出される薄めの問題集をある程度解き慣れているひとには、受験で実際に出たものを集めた問題集としておすすめできます。

Power Stageの使い方

とにかくたくさん問題を解く

文法・語法問題には共通して言えることですが、本番ではどんな問題が出るか分からないため、とにかくたくさん問題をときましょう。難しく考えず、①苦手なところがあったらその単元や章をやる、②苦手なところが特になければ前から順番にやるのどれかです。やったところには、あとで見返したときわかるように(間違えたところに)マークをつけておきましょう。

ペースについて

1日1章など、ペースを決めて取り組みましょう。あまり欲張らなくていいので、「わかった」と言えるまでやり直しましょう。語彙問題では知識勝負なのでできない問題も多く凹むかもしれませんが、無理して進めず、1時間後にやり直すなどしてその単元をしっかりものにすることを考えましょう。

Power Stageで勉強するときの注意点

難易度が合っているか気をつける

中堅以上の大学を目指しているのであれば、Power Stage(あるいは同レベルの問題集)を一冊やりきるというのは重要なことです。だからといって、中堅以上を目指す受験生全員がはじめから、Power Stage等の文法問題集を使うべきではありません。

ある程度の文法知識や解説を読む力がないのに、Power Stage等の文法問題集で勉強すると、復習がうまくいかずやってもやっても力がつかないということになる恐れがあります。こうなると英語の学習を前向きに継続するのは難しくなってしまうでしょう。

大学受験勉強は長期戦です。勉強するうちに「自分は、(前できなかった)文法問題ができるようになったぞ」と思えるようになることが重要です。そのためには、まず今できるものが何かを明確に把握し、次に今はまだできないがもうちょっとでできる問題を練習する必要があります。

あなたがもし「文法がわからない、文法が苦手」という感覚があるなら、解く問題の難易度を見直しましょう。できる問題をやって自信をつけて、その後に少し難しい問題集に取り組むべきです。

焦りすぎずこだわりすぎず

当たり前のことかもしれませんが、問題を解いて間違っていたら解説を読んで考え方・覚えておくべきことを確認しましょう。文法について解説がわかりにくいと感じたら、Forestやbeなどの文法解説書を読んで理解することを考えましょう。一方、語法や語彙問題は1項目1項目ごとの知識勝負ですから、知らなかったら諦めて覚えてしまうのがいいです。

過去問をきちんと解く

Power Stageは確かに網羅的な問題集ではありますが、「これを解けば全部の文法問題ができるようになっているはず」と考えてはいけません。過去問をきちんと解くことを忘れないでおきましょう。

Power Stageと併用したい参考書や問題集

併用すべき教材は特にはありません。強いて言うなら、なぜ?と思ったときや基本が抜けていると思ったときに立ち帰れる、(問題集ではない)参考書でしょうか。代表的なものを以下に挙げます。

  • Evergreen
  • be
  • Zestar総合英語

Power Stageの前に取り組むべき問題集

Power Stageの前にやらなければならない問題集も特にありません。ただ、あまりに問題がわからなすぎると思ったら、学校で配られるうすい文法問題集を1周こなしてから戻ってくるといいかもしれません。学校で配られたもので、まだやりきっていない(と思う)ものがあればそれをやってもいいですし、市販で何か易しいものを選んでやってもいいです。

Power Stageの代わりに使える問題集

  • Vintage
  • Scramble

Power Stageの後に取り組むべき問題集

  • Power Stageをもう一周
  • 英文法ファイナル
  • 過去問

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。

私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。

「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

片岡 正義

主に国語・英語を担当。言語を理解する上での「からだ」と「あたま」の双方から楽しみを感じられるような授業をしたいと思っている。

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