数学の勉強で役立つ「自問自答」のすすめ

自問自答する人

先週は春休み最後の週ということで春休みの宿題に取り組んでいる生徒が多く見られました。中でも数学の宿題は一人で考えることが難しいということでよく質問を受けます。

そこで、今回は数学の質問に対する数学の問題を解くときに役に立つ「自問自答」について書きたいと思います。

勉強における「自問自答」とは

この記事では勉強における「自問自答」を以下とします。

問題を解いている最中に自分の考えを言葉にして、それに対し肯定や否定のリアクション行ったり自分自身に質問をして自らそれに答えること。

言語化によってミスに気づく

そもそも、質問することにはどんなメリットがあるのでしょうか。もちろん、質問相手から回答が返ってくることが挙げられますが、それでだけではありません。

それは、質問する過程で思考が言語化され、ミスに気づきやすくなるということです。

私はよく、問題が解けなくて手が止まっていたり手は動いているけれども自信がない生徒から「ここまで合っていますか?」と聞かれます。

この質問に対する最善の返答はケースバイケースですが、「ここまでは何をやったの?」と聞き返すことが多いです。(「質問を質問で返すなーっっ!!」と言われそうですが、あえて聞くようにしています。)

教えなくても答えは生徒の中にあることは多い

すると、生徒はここまで書いた式を目で追って、何をしたか言葉で説明することになるので、その過程で自分がどういう考えで式を立てて計算してきたのかを自然と理解します。すると合っている場合は自信をもって先に進んでくれますし、間違っている場合はミスしたことに気づきます。

生徒が説明している間は「そうだね。」とか「それでそれで。」とか「フーン」とか「で、」生徒の会話のノリにあわせた相槌を打ちます。

ポイントは僕は「これまでに何をしたの?」と聞いただけで何も教えてはいないということです。生徒が自己解決できると判断したときは、教えずに、自分で気づいてもらうことで自信をつけ、人に頼る習慣がつかないように気をつけています。

講師の仕事というと、質問に対してわかりやすく解説をするというイメージがありますが、質問によっって生徒が考えるように促すことがより重要です。

ちなみに、これは全員に有効というわけではありません。ある程度自分の解答する過程を振り返り言語化できる人にはこういったアプローチをとりますし、言語化が苦手な生徒には質問の仕方を変えたり、解説をしたりします。

自習では「自問自答」を

ここまで塾内で質問を受けるときの例を紹介しました。

授業中や質問ができる環境であれば問題ありませんが、そのような環境で勉強できるのは総勉強時間のうち数%にすぎないでしょう。だから自習で「自問自答」ができると大きなアドバンテージになるのです。

具体的な「自問自答」のやり方

次に「自問自答」のやり方を紹介します。

➀考えていることを言葉に出す

問題文を(できれば)声に出して読みます。

➁相槌、もしくはツッコミを入れる

もう一人の自分をイメージし、会話をしているように「うんうん」、「ok!」、「なんでやねん笑」とか適当な相槌やツッコミを入れましょう。

➂質問をする

ここが一番のポイントです。解らなくなった時に解答のために必要な質問を自分自身に行います。

質問候補リスト

  • 問題文は読んだか?
  • 何が目的か?
  • 未知のものは何か?
  • 条件は何か?
  • 何かできることはあるか?
  • 図は書いたか?
  • すべての値を使った?
  • ここまで何をしたか?
  • 具体例は考えたか?
  • 出題者の意図は考えたか?

➃質問に答える

➂の質問に答えます。わからなければまた別の質問を行います。
上記の4ステップを繰り返します。

注意すること

声の大きさに注意ですね。僕自身、高校生の時あるテスト中に声を落としてほしいと注意されたことがあります…。

まとめ

  • 思考を言語化することによってミスに気づきやすくなる
  • 質問したりされたりすることで言語化が促される
  • 自習においては「自問自答」することが有効

いかがでしたか。声にして自問自答するのはちょっと恥ずかしいと思うかもしれません。まずは自分の部屋で一度やってみてはいかがでしょうか。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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