『ドイツ・フィンランドの持続可能な街づくり、教育、アートと都市、スマートシティ』レポート
こんにちは、坂本です。
去る6月20日、関内さくらワークスにて4人の横浜市議による『海外視察報告会〜ドイツ・フィンランドの持続可能な街づくり、教育、アートと都市、スマートシティ〜』に行ってきました。今回はそこで聞いたこと、感じたことをお伝えします。
今回のトピック(イベント概要より抜粋)
- あいさつ:今回の視察の概要、目的について
- 視察報告(15分✕4人=60分)
- 「ハーフェンシティ開発の持続可能な街づくりとは」
- 「問いを立て、社会と影響しあうアートと都市」
- 「塾もない、授業も少ないフィンランド教育が世界トップクラスのワケ」
- 「デジタルを活用した都市開発を目指す、ヘルシンキ市のスマートシティ・プロジェクト」
- 質疑応答(45分程度)
印象に残ったこと
公園づくりは子供達が主役
ハンブルグのとある公園は、計画段階で地域の子供達を集めてワークショップを開き、例えば「洞窟のような場所が欲しい」というような声を反映させてつくったそうです。日本だと行政が計画を立ててからのヒアリングというのはあるそうですが、どういうものを作りたいかということから一緒に考えていくことはなかなか行われていないとのこと。
パークフィクション
役所の取り組みに反対する方法としては、①政治家に相談②占拠やデモのような方法がありますがなかなかうまくいかないのが現状。
そこで住民やアーティストが自ら主導・計画し、ピクニックやフェスティバル、展示、集会を行いあたかもそこに公園があるかのように振る舞います。そこで新しい対話が生まれ、またこのことが広く知られるようになり、文化省や都市開発省などを巻き込むことにも成功、最終的には住宅と公園を半々で作ることになりました。
フィンランドの教育事情
- 大学院を出ないと教員になれない
- 教員の倍率は10倍
- 「学校で知識を教える」やり方は減っている
- 各家庭の「読み聞かせ」が土台になっている
- 1970年代からプログラミング教育に注目
- 落ちこぼれをつくらない
「やらなければならないことはやり、他のことはやらない。」をいう発言も。映画『かもめ食堂』内のセリフを思い出します。この考え方が教育政策にも通底しているのですね。
頭脳の流出という課題に対しては「一度出て行くかもしれないが、子供が生まれた時にまたフィンランドに戻ってきてくれる。そして、世界を知った人が集まってくると社会に厚みが生まれる」という方針を持っているそうです。
質疑応答と感想
プレゼンテーションの内容に対し、前提を深堀する方向、具体的なアクションに対する方向の両面で対話が進み非常に有意義な時間になりました。
様々な立場の人の対話の重要性
プレゼンテーション全体を通じて感じたことは、住民・子供・シニア・アーティスト・行政・スタートアップ等様々な立場の人の対話や参加が強調されていたということ。
私たちも生徒の悩みを解決するためや、教室の運営をめぐって対話を非常に重視します。しかし、対話をするにも共通前提があるのとないのでは大違いです。(例えばある本を読んだことがあるのかどうか?など)教室を始めてから対話が対話にならない経験も沢山してきました。
対話をするためには前提としての共通認識が必要です。
(もちろん対話をするからこそこれまでなかった共通認識が生まれるということも重要だと思っています。)
対話の前提としての共通認識
フィンランドは、1917年に独立しています。そして常に「国がいかに生き残っていくか」という意識を共有しながら教育に投資するという選択をしています。横浜ではそういう共通認識があるのか?またそれを作っていくリソースがあるのか?という質問をさせていただきました。
ドイツでは宗教の教育があること、横浜では横浜市歌がそういうリソースになっているのではという回答をいただきました。私が横浜生まれではないので自身の体験としてはないのですが、確かに横浜市立の小学校出身の人は横浜市歌を歌える人が多いです。
具体的なアクションは?
抽象的な話の後は具体的にどんなアクションができるのか?という質問がでました。私たちがすぐに取り組めるのはこれらのことでしょうか。
- 子供たちや保護者と映画を見たりや本を読んで語る会を開く
- 教室作りや公園の清掃をする
- 試験的に始めているプログラミング講座をもっとしっかりしたものにする
社会課題の解決は「楽しいこと」
最後に藤崎浩太郎さんが「社会課題の解決は楽しいことだから行政が独占するべきではない」仰っていたことが印象的です。
これは非常に大切なことなのではないでしょうか。
関わっている人がこういう感性を自然ともてるような教室にしたいですね。
私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。
受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。
私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。
「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。