高校受験ガイド

【2021年度】神奈川県公立高校入試の出題範囲の一部削除について

令和2年度神奈川県公立高校入学者選抜学力検査問題

2020年度(令和3年)の公立高校入試は新型コロナウイルスの影響で学校が長期臨時休校になったことを考慮して、試験範囲の一部が削除されることが発表されました。

令和3年度神奈川県公立高等学校入学者選抜における学力検査の出題範囲について

この記事では発表内容と、受験生への影響について書いていきます。

新しい出題範囲

2021年度神奈川県公立高校入試で各科目の出題範囲から除かれる内容は以下になります。

2021年度神奈川県公立高校入試で出題範囲から除かれる内容
科目 出題範囲から除かれる内容
国語 漢字を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する漢字
数学 中学校第3学年で学習する内容のうち、「資料の活用(標本調査)」
英語 英単語を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する英単語
理科 第1分野で学習する内容のうち、「科学技術と人間」第2分野で学習する内容のうち、「自然と人間」
社会 公民的分野で学習する内容のうち、 「私たちと国際社会の諸課題」

出題範囲が狭くなったことの影響

出題範囲が狭くなったことで受験生にはどのような影響が出るのでしょうか。科目ごとに見ていきます。

国語

国語の範囲から除かれるのは「漢字を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する漢字」です。

「漢字を問う問題」というのは問一(ア)の漢字の読みを書く問題、問一(イ)のカタカナで表された複数の言葉から同じ漢字が使われているものを選ぶ問題(漢字の書き)のことだと思われます。

2020年度の問題では以下のような漢字が出題されています。(一単語ごとにより後ろで習う漢字の学年に合わせています。)

2020年度神奈川県公立高校入試で出題された漢字と履修学年
習う学年 問一(ア) 問一(イ)
小学校 急務、打球、銅像、増補、冷蔵、協賛、競泳、供給、敬う、政策、衛星、敬礼、早計
中学1年生 俊敏 休暇、即興
中学2年生 勇敢、疾走 緩急、埋蔵、肝臓
中学3年生 綻び 妥協

2020年度は、中学3年生で習う漢字はあまり出題されていません。問一(イ)の問題では小学校で習う漢字のみの熟語もたくさん出題されていることがわかります。影響は少ないといえるでしょう。

数学

数学の範囲から除かれるのは「中学校第3学年で学習する内容のうち、「資料の活用(標本調査)」」です。

注意すべきなのは「資料の活用」の単元は、1年生では「資料の活用(ヒストグラムや代表値」、2年生では「資料の活用(確率)」、3年生では「資料の活用(標本調査)」に分かれており、そのうち3年生のものは出題されないということです。

2020年度の数学では問3の(イ)では、「資料の活用」から出題されたことが注目されましたが、2020年度の問題は1年生で学習する「資料の活用(ヒストグラムや代表値」の知識のみで解ける問題でした。ですから、2021年度も2020年度と同様の「資料の活用」に関する問題が出題される可能性があるといえます。

影響は少ないといえるでしょう。

英語

英語の範囲から除かれるのは「英単語を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する英単語」です。

「英単語を問う問題」とは問1のリスニング問題における聴いた単語を記述する問、問2の対話文中の単語を補う問題のことだと思われます。

2019~2021年度の問題では以下のような英単語が出題されています。(2019年度は問1での英単語の問題はありません。)

神奈川県公立高校入試で出題された英単語と履修学年(2019~2021年度)
習う学年 問1のリスニング 問2の対話文
中学1年生 bought,dictionary,thirsty,would
中学2年生 abroad,weather born,example,useful
中学3年生 continue,traditional

3年生で習う単語からの出題は比較的少ないことがわかります。また、当然ですが、英語の入試問題において、文法長文など他のどの分野の問題でも英単語の知識は必要です。影響は少ないといえます。

理科

理科の範囲から除かれるのは「第1分野で学習する内容のうち、「科学技術と人間」第2分野で学習する内容のうち、「自然と人間」」です。

「科学技術と人間」を「自然と人間」の2つの単元は、教科書や問題集では「環境編」と1つの単元にまとめられていることもあります。

2019~2021年度の問題を見てみると、2020年度の問3(イ)で食物連鎖に関する問題が出題されているのみです。影響は少ないといえるでしょう。

社会

社会の範囲から除かれるのは「公民的分野で学習する内容のうち、「私たちと国際社会の諸課題」」です。

「私たちと国際社会の諸課題」からは2020年度の問7(イ)のような国際連合に関する問題、2019年度の問6(ウ)ような気候変動に関する問題、2018年の問6(イ)のようなグローバル社会の諸問題に関する問題などが出題されています。

国連機関の名称や国際的な諸問題については、ある程度の知っておくべき事項があるため、必要な学習内容は多少減りますが、入試問題における影響は少ないといえるでしょう。

まとめ

どの科目についても、大きな変更ではありませんでした。国語・英語については3年生の漢字や単語が出題されなくとも、語彙力が多い方が総合的に有利なことに変わりわありません。数学・理科・社会についてもごく一部の問題が出題されなくなるだけです。

入試問題への影響も、合格に必要な学力はこれまでとほとんど変わらないでしょう。

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この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。1988年福岡生まれ。大学に進学した2006年から塾講師をはじめ、2013年に個別指導塾ティーシャルを横浜に開校。おもに数学・物理・化学などを担当。

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