2021年2月15日に神奈川県神奈川県公立高等学校入学者選抜共通選抜が実施された。

この記事では英語・国語・数学・理科・社会の各科目の試験について設問数・昨年との変化・大問別分析、簡単な学習アドバイスを行う。

2021年度の問題と解答はこちらから
https://www.kanaloco.jp/news/social/article-398603.html

英語

問題数

大問数は8問であり、昨年と比べ変化はなかった。設問数は24問(うち2問が選択数2つ)であり、昨年と比べ4問減少した。

形式や難易度の変化

全体としては去年と同じ形式が踏襲された。去年変化があった点を比較すると以下の通り。

  • 去年は問6の(イ)が独立したグラフ読み取り問題になっていたが、今年は平成31年度までと同じ形式に戻った。
  • リスニングの単語書き取り問題では、去年と同じく頭文字のヒントが出された。
  • 問6の長文問題に於いて、問題文中にカタカナの表記はなかった。

全体として易しい英文が多かったように思われる。

大問別分析

問1はリスニング問題。例年通り。単語書き取りではscienceを書かせる問題が出題された。

問2は単語書き取り問題。例年通り。出題された単語は、famous、swimming、languageであった。

問3は選択式の文法問題。例年通り。問われた主な単元は以下の通り。

  • 疑問詞のWhich
  • 「〜に見える」のlook
  • 接続詞から時制を判断する問題
  • 完了形

問4は並び替え問題。問われた主な単元は、以下の通り。

  • 最上級(去年と同じ)、後ろが複数形であることからofを判断する
  • 現在分詞による後置修飾
  • byで繋がらない受動態、前置詞through
  • want 人 to 不定詞
  • 難易度として大きな変化はなし。

問5は条件付き英作文。対話相手の答えから、How manyで始める疑問文を考えさせる問題だった。解答例として、

How many students watch movies (with their families at home on weekends?)が考えられる。

前後の文脈からはもう少し複雑な発言も考えられたが、難易度が上がるので最低限の答えとしてこれでよいだろう。難易度としては易しめであろう。

問6〜8は例年通り長文問題となった。

昨年度は問6の設問構成が若干変化し、(イ)が独立した設問となったが、今年は一昨年までの設問形式に戻った。

問6はグラフや表と英文を読み合わせる問題。問題文中に現れるグラフにカタカナ表記がなく英語のみなのは、昨年から踏襲されている。

問7は道順に関する会話と、人物の伝記的を読む問題。(ア)は教科書に載っているような、道順に関する会話の読み取り。(イ)は数値を扱う点も例年通りであり、今年は主人公の年齢が扱われた。情報を正確に読む力が問われているといえる。

問8は対話文の読解問題。文量は2ページ分であるが、昨年よりややボリュームは下がっている。(ア)本文を読み正しいタイムテーブルを選ぶものであった。(ウ)は例年通り本文内容に合う選択肢を2つ選ぶ問題であった。

学習アドバイス

出題された問題を見ると、使用されている語彙や表現は教科書のレベルを超えていない。特別難しいことは必要なく、標準的な問題を反復練習し、語彙や表現の積み上げをしっかりしておくこと。作文の問題では、疑問詞を使った文を理解し、様々な形の例文を知っておくことが重要であった。

国語

問題数

大問数は5問であり、昨年と比べ変化はなかった。設問数は30問であり、昨年と比べ変化はなかった。

形式や難易度の変化

問題形式は昨年と比べ大きな変化はなかった。難易度も昨年と大きく変わらない。

大問別分析

問1は設問形式に変化なし。漢字の読みは、「挨拶」「掌握」「惜別」「遂げる」。書きは「円柱」「登録」「規則」「税金を納める」。文法は「に」の識別。

問2は古文の読解。例年通り登場人物の心情把握や行動の理由、本文内容の理解に関する問題が出題された。

問3は物語文の読解。心情・状況理解に関する選択問題、表現方法に関連する選択問題といった例年通りの出題である。

問4は説明文読解。傍線部の言い換え、理由説明など、例年通りの出題がなされた。設問のタイプで見ると、以下の通り。

  • 接続詞の選択
  • 傍線部の内容説明の選択
  • 傍線部の理由の選択
  • 本文からの抜き出し
  • 正しい要旨の選択

問5はグラフと討議の読解・作文。グラフの読み取りの選択問題と、30〜40字での記述問題。字数に若干の変化が見られた他は、例年通りの出題となった。

学習アドバイス

漢字の読み書きを普段から積み上げておくこと。また、古文の読解、記述のグラフから読み取ったことの記述などは、練習する機会を十分につくり慣れておきたい。

読解を正確に行うため、本文を正確に、意識的に読むこと。言い換えや論旨の展開に関する感覚を養っておきたい。選択肢式の問題を解くときに選んだ根拠を本文から説明する習慣をつけたい。

数学

問題数

大問数は6問で、昨年と同じであった。設問数は25問であり、昨年と比べ1問減少した。(問3のエは1問と数えた。)全体の問題ボリュームとしては昨年と大差ない。

形式や難易度の変化

出題順が変わった昨年と比べて、問題の構成や出題された単元に大きな変化はなかった。難易度は昨年と比べ易化している。

大問別分析

問1は例年同様計算問題が出題された。昨年は1問だった正負の数の問題が2問から2問出題された。

問2は例年通り小問集合(問3と比べると1問が軽い)で因数分解・二次方程式・関数・不等式の文章題・平方根・角度と幅広く出題された。連立方程式の計算は出題されなかった。

問3は昨年同様各分野の小問が4テーマ出題された。問3の図形問題は難易度が高いことが多く、今年も同様であった。

(ア)の(ⅰ)は合同の証明の穴埋め問題で易しいものであった。(ア)の(ⅰ)は正三角形の面積比をもとに線分の長さを求める問題で、解法も計算も難易度の高い問題であった。(イ)では折れ線で表現された度数分布の問題が出題された。落ち着いて考えれば決して難しい問題ではない。(ウ)は水そうに水を入れるときの水面の高さに関する問題であった。似た問題を解いたことがある人は取り組みやすかったであろう。(エ)は連立方程式の文章題が出題された。問題の設定も計算も易しめの問題であった。

問4は例年通り関数の問題が出題された。設問の形式も例年と変わりないが、分数の計算が多く処理に注意を必要とする。(ウ)は座標平面上の三角形と四角形の面積比に関する問題で、等積変形を利用すると比較的求めやすかった。

問5は例年通り確率の問題が出題された。例年通り文章を読ませて【ルール】を把握させてから解かせる問題で設問数も2問と変わりない。(1)(2)ともに条件がほとんど変わらないため、時間をかけて(1)だけでなく(2)まで取り組む価値の高い問題であった。

問6は例年通り立体図形の問題が出題された。(ア)(イ)は円錐の体積と表面積を求める基本的な問題であった。(ウ)は最短距離の問題で例年の(ウ)の問題と比べると解法も計算も易しかった。

学習アドバイス

数学は出題形式と単元が予想しやすいため、過去問をよく研究しどの単元で何点とるかという計画を立てておくのが良いだろう。中学の範囲から満遍なく出題されており、極端な苦手単元をつくらないことも重要だ。

関数や図形問題の(ウ)は比較的難易度が高いが、普段使っている公式や解法が理解できていれば十分に回答可能である。普段の学習ではなんとなく解くということをやめて、言語化して論理的に考える習慣をつけたい。また、問4をはじめ、分数の計算の正確さが求められる場面もあり、計算の基本的なルールを確実に身につけておきたい。

理科

問題数

大問数は8問であり、昨年と比べ変化はなかった。問1~4は小問集合、問5~8は実験や観察をベースにした設問である。問1~4、問5~8ともに物理・化学・生物・地学各分野から一つずつ出題されている点も例年と変わりない。設問数は32問であり、昨年と比べ増加したが、問題全体のボリュームとしては変わっていない。

形式や難易度の変化

問題形式は昨年と比べ大きな変化はなかった。
難易度も例年並みである。

大問別分析

問1は物理分野の小問集合で、真空放電管・電気回路・レンズからの出題であった。

問2は化学の小問集合で、気体粒子・銀の酸化・化学電池からの出題であった。

問3は生物分野の小問集合で、顕微鏡の使い方・植物のつくり・心臓のはたらきからの出題であった。

問4は地学分野の小問集合で、地震・火成岩・太陽の運動からの出題であった。

問5は物理分野からの出題で、台車の運動に関する実験からの問題であった。(エ)は等速直線運動や慣性に関する正しい知識のもと、手を離した後に台車にはたらく力を正確に把握して判断するやや難しい問題であった。

問6は化学分野からの出題で、溶解度に関する問題であった。よく見る設定の問題であるが、溶解度の分野は苦手にしている人が多く、人によって難易度の感じ方が大きく異なったのではないかと思う。

問7は生物分野からの出題で、アサガオの遺伝に関する問題であった。(エ)は上量が多くなり、条件を整理して判断するのがやや難しい問題であった。

問8は地学分野からの出題で、気象や飽和水蒸気に関する問題であった。(エ)は湿度や飽和水蒸気についての正確な知識があれば比較的簡単に解けるものであった。

学習アドバイス

理科は出題される分野が多く、どの分野がどこで出題されるか予想しづらい。そのため、安定して得点するためには、頻出の問題を中心としながらも満遍なく全分野を実験観察の問題も含めて学習しておくことが必要だ。ただし、各分野を浅く広くというイメージでは、一通り勉強したが何も覚えていないということになりかねない。一つ一つの分野を着実に自分のものにして、得意な分野を地道に増やしていくような勉強を心がけたい。

社会

大問数

大問数は7問であり、昨年と比べ1問増加した。設問数は35問であり、昨年の34問と比べ1問増えた。

形式や難易度の変化

  • 昨年と同様大問数は7で、大問7では地理・歴史・公民の総合問題が出題された。
  • 大問7つの中で4問がレポートを題材にした出題であった。
  • 文章・グラフ・表・系図などの資料を読み取る問題が多く出題され、知識が少なくても解ける問題が増えた。

問題形式は昨年と変わらなかったが、難易度は昨年と比べかなり易しくなった。

大問別分析

問1は例年通り世界地理からの出題であった。図表や地図だけでななく谷川俊太郎の詩も含まれたレポートをもとに答える問題であった。(エ)の記述問題では「大西洋」と書かせるものであった。雨温図の問題・時差の計算問題は出題さなかった。

問2は例年通り日本地理からの出題であった。(ア)は二つの空欄に入る言葉の組み合わせを選ぶ問題であった。一方の選択肢は「屯田兵」もしくは「防人」のどちらかを選ぶ問題で地理の問題の中で歴史用語の知識が問われた。(ウ)の記述問題では「カルデラ」と書かせるものであった。(オ)は図表を正しく読み取た文を選ぶ問題であったが、選択肢の文は易しいものであった。

問3は例年通り近世までの歴史からの出題で文化財についてのカードをもとにした問題であった。(ウ)では天皇家と藤原氏の系図を読み取る問題であった。政治史の知識を問う問題は少なく、文化・交通など幅広い分野の問題が出題された。

問4は例年通り近代以降の歴史からの出題で「帝国ホテル」に着目したレポートを元にした問題であった。必要な知識は基本的なものが多く、易しめであった。(エ)の記述問題は「満州」と書かせるものであった。

問5は公民の経済分野からの出題であった。(ア)の記述問題は「節分」と書かせるもの、(イ)の記述問題は「アイヌ」と書かせるものであった。

問6は公民の政治分野からの出題であった。基本的な事項についての正誤問題が中心であった。

問7は昨年同様、地理・歴史・公民の総合問題が出題された。大問としては総合問題ではあるが、各設問は単独の分野の知識で解くことができる。(ア)は問2でよく出題されていた地形図を読み取る問題であった。(エ)の記述問題は「内閣から独立(例)」と書かせるものであった

学習アドバイス

今年度も知識そのものを問う問題は比較的少なめであった。もちろん多くの知識があることが重要ではあるが、知識をもとにして資料を読み取る力をつけておく必要がある。そのためには各分野の知識について全体の中での時間的・意味的位置付けを明確にすることを意識して勉強すると良いだろう。

この記事を書いた人

個別指導塾ティーシャル

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