化学重要問題集の特徴と使い方
化学重要問題集とは
化学重要問題集は大学受験における化学・化学基礎の定番の問題集です。学校で配布されるケースも多く、たくさんの受験生に使用されています。
中堅〜難関大学の過去問から、頻出の問題が網羅的に収録されており、難関私立大学や国公立大学を目指す受験生におすすめの問題集です。
チャート式などで有名な数研出版から出版されています。
難関大学入試まで対応した受験生定番の受験対策問題集。 今までの重要問題集のクオリティはそのままに,新課程に対応しました。
全国の入試問題から良問を精選し,最新の入試傾向も反映。各章は「要項」→「A問題」→「B問題」で構成しており,受験勉強の仕上げに「巻末補充問題」を掲載。思考力・判断力・表現力を必要とする問題には「思考」マークをつけ,QRコードからヒントを閲覧することが可能。別冊解答は本冊以上のページ数で,問題の解法だけでなく,入試に役立つ情報を豊富に掲載しており充実している。さらに,入試直前の最終確認に役立つ小冊子「入試直前整理」を,別冊付録として付属。
難関大を目指す人にオススメ。
数研出版ホームページより
化学重要問題集の特徴
化学重要問題集の特徴をざっくりまとめると以下のようになります。
- 大学入試過去問から厳選された、網羅的かつ無駄のない問題。
- 取り外しできる150ページ超の詳しい別冊解答。
- 難関大志望者の化学問題集として定番中の定番。
化学重要問題集の基本情報
- 教材名
- 実戦 化学重要問題集-化学基礎・化学
- 著者
- 数研出版編集部
- 出版社
- 数研出版
- サイズ
- A4判
- ページ数
- 問題集:160ページ・別冊解答:168ページ・別冊付録:32ページ
- 価格
- 税込1045円(本体価格:950円)
- 販売
- 市販教材
化学重要問題集の構成
問題集本体、別冊解答、小冊子「入試直前整理」の3つに分かれています。
問題集本体
出題テーマごとに分かれた17章と総合問題1章の計18章で構成されています。問題はA問題とB問題の2種類に分かれており、2020年版では275問収録されています。毎年新しいバージョンに改訂されており、数問ずつ収録されている問題が入れ替わっています。
A問題
大学受験における基礎〜標準の頻出問題です。A問題を解くだけでも網羅性のある学習が可能です。あくまで大学受験レベルの標準なので、受験勉強を始めた人がいきなり解きはじめるには難しいです。
B問題
より難易度が高く、応用力をつけるための問題となっています。少なくとも、その単元のA問題を解き終えてから取り組むことをおすすめします。
「要項」
各章のはじめの1~2ページは「要項」という重要事項や公式などをまとめたページになっています。コンパクトにまとめられているので、公式などを確認するには便利な反面、単元の内容を理解するには情報量が少なく、参考書としての役割は期待できません。
別冊解答
別冊解答は168ページと問題集本体を超えるボリュームとなっています。
模範解答としての詳細な解答・図や絵を使った説明・関連事項を補う注など、充実した内容となっています。ただし、どのように考えてその解答が導き出されるかについては、さほど詳しい説明が載っていないため、解説の読解にはある程度の化学の知識があり模範解答の意図を読み取る読解力が必要です。
小冊子「入試直前整理」
入試直前の整理・確認に役立つ、チェックしておきたい化学の重要項目がのっています。
化学重要問題集の難易度
数研出版のサイトでは「共通テスト(センター試験)~難関大入試」とされています。
国公立大学二次試験や難関理系私大の対策にはちょうど良い難易度となっています。共通テスト(センター試験)対策にも十分な難易度ですから、国立二次・私大対策をすることがそのまま共通テスト(センター試験)にもなります。
ただし、国立二次・私大対策で化学を選択しておらず、共通テスト(センター試験)のみの対策に使うには、難易度が高すぎます。また、出典は国公立大学二次試験や私大であることが多くセンター試験からであることは少ないため、共通テスト(センター試験)のみの対策にはおすすめできません。
各単元の前半には、基礎的な問題も含まれており、易しめの問題から始めだんだん難しくなるといったように難易度の段階があり、解きすすめやすくなっています。
どんな人におすすめか?
国立大の二次対策や難関私立大の対策をしたい人
既に述べた通り、問題の難易度・問題形式から、国公立大学を志望している人や難関私立大学を志望している人におすすめです。
セミナー化学などの基礎的な問題集を一通り終えている人
セミナー化学をはじめとする、基礎的なテキストを一通り終え、いよいよ入試対策を始める人におすすめです。
一冊で入試対策をしてしまいたい人
化学重要問題集は入試問題の標準〜応用までの典型問題が集まっているため、この一冊をやりきるだけで、難関大までの入試対策を行うことができます。
化学重要問題集の使い方
化学重要問題集にはA問題(基礎〜標準問題)とB問題(応用問題)があります。実際に勉強する時はA問題とB問題をどのように使うかを決めなければなりません。使い方は以下の3種類があります。
- ①A問題を解き切る→B問題を解き切る
- ②単元ごとにA問題もB問題を解く
- ③A問題しか解かない
私のおすすめは「②単元ごとにA問題もB問題を解く」もしくは「③A問題しか解かない」です。それぞれの目標・定着具合・残りの期間を考慮して選択してもらえればと思います。
次に具体的な学習ステップを紹介します。
ステップ1.問題を解く。
まずは問題を解きましょう。
解く時に注意することは、思考が前に進まなくなったと感じたら、解くのは一旦諦めて解説を読むということです。なぜなら、問題集を使う段階における勉強の目的は、「問題だけをみて自力で解答をつくる力をつける」だからです。ですから、さっさと諦めて、解説を読んで理解し、解答を写したり、解き直す機会を増やしましょう。
ステップ2.丸付けをして、自力で解けたかどうか記録をつける。
1問解いたらすぐに丸付けすることをおすすめします。丸付けは厳格にしてください。「ちょっとケアレスミスしたけど、考え方はあってたから丸でいいや。」というのはNGです。
丸付けを終えたら、各問題の問題番号のところに解いた日付・自力で解けたかどうかを記録します。
ステップ3.解説を読んで理解する。
間違えた問題・正解したけれども理解が曖昧な問題の解説を読みます。わからないところや知らなかったことは参考書や資料集で確認します。
ステップ4.すぐに解き直す。
解説を読んで理解したら、すぐに解き直してみましょう。すぐに解き直して正解できないのであれば、試験本番では絶対に正解できません。
解説を読んだ直後の解き直しで正解できなければ、一度解答を写してみるのがいいかもしれません。
ステップ5.数日したら解き直す。これを繰り返す。
数日したらもう一度解き直します。ひとつの単元を解き終わったところですぐに最初から解き直す。あるいは次の単元まで一通り解いたら前の単元に戻ってみるくらいでしょうか。
全ての問題を解き直すか、間違えた問題だけ解き直すかは、正答率や残りの時間を参考にして決めてください。
ステップ6.数週間したら間違えたことのある問題を解き直す。
数週間したら間違えたことのある問題を解き直します。しばらく時間が経ってからでも正解できていれば定着していることが確かになります。
化学重要問題集で勉強するときの注意点
志望校の偏差値が高くても、あせってB問題を解かない
難関大を志望している人は、「B問題ができなければいけない」と感じるかもしれません。もちろんB問題ができるに越したことはないですが、実力が足りないのに難しい問題を解くことは得策ではありません。
解説のやり方が絶対ではない
模範解答と自分の解答のやり方が異なっていても、即座に不正解とするには早いかもしれません。化学の解法は、方針は同じであっても、表現の方法は異なることが多いです。解法が間違っているのか、計算ミスなのか、実は正解なのかをよく吟味してましょう。
理解が曖昧なところなどは必ず調べる
解説を読んだときに理解が曖昧なところは必ず出てきます。理解が曖昧なところは必ず参考書や資料集で調べるようにしましょう。もし、理解が曖昧なところが見つからなければ、復習の仕方そのものを見直す必要があるかもしれません。
化学重要問題集と併用したい参考書や問題集
ここまで何回か述べてきた通り、解説を読んでいるときに参照できる参考書や資料集をそばに置いておき、必要に応じて併用するのがおすすめです。
- 『化学の新研究』
- 『化学の各種資料集』
化学重要問題集の前に取り組むべき問題集
A問題を解いていて難しく感じたり、解説を読んでいて意味がわからないことが多い場合は、基礎問題集をもう一度解いたり、解法プロセスを丁寧を習得するための問題集を解くことがおすすめです。
- 『セミナー化学』
- 『リードα化学基礎・化学』
- 『化学入門問題精講』
- 『化学基礎問題精講』
- 『紫チャート』
化学重要問題集の代わりに使える問題集
重要問題集と同レベルの問題を解きたいのだけれども、重問はどうもしっくりこないという場合は以下のような問題集を試してみることをおすすめします。
- 『化学標準問題精講』
- 『化学の新演習』
化学重要問題集の後に取り組むべき問題集
重要問題集が解き終わったら志望校別の対策をしていきましょう。おなじみ赤本の他に、大学別の問題集・模試の過去問集などがおすすめです。
- 『赤本』
- 『〇〇大の化学』
私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。
受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。
私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。
「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。