山川『世界史用語集』の特徴と使い方
世界史用語集とは
世界史や日本史をはじめとした高校社会の教科書・参考書に定評のある山川出版が送る受験世界史の鉄板教材です。
教科書に載っている世界史用語を網羅し、詳細な解説がされています。
受験世界史の辞書としてのスタンダードとして位置付けられており、難関大受験には必須の一冊です。
2018年度から使用されている「世界史B」の教科書7冊に記載される約5,600の歴史用語を収録し、最新の研究成果も踏まえて適切な解説を加える。教科書の部分改訂に合わせて頻度・解説を見直した改訂版。
山川出版HPより
世界史用語集の特徴
世界史用語集の特徴をざっくりまとめると以下のようになります。
- 難関大に通用する単語量
- 教科書には載っていない細かな解説
- 教科書7冊を分析した頻度順による色分け
世界史用語集の基本情報
- 教材名
- 世界史用語集 改訂版
- 著者
- 全国歴史教育研究協議会・編
- 出版社
- 山川出版社
- サイズ
- その他
- ページ数
- 408ページ
- 価格
- 税込946円(本体価格:860円)
- 販売
- 市販教材
世界史用語集の構成
目次
「世界史用語集 改訂版」の目次は以下のようになります。
- まえがき
- 本書の特色・使用上の留意点
- 序章:先史の世界
- 第一章:オリエントと地中海の世界
- 第二章:アジアとアメリカの古代文明
- 第三章:内陸アジア世界・東アジア世界の形成
- 第四章:イスラーム世界の形成と発展
- 第五章:ヨーロッパ世界の形成と発展
- 第六章:内陸アジア世界・東アジア世界の発展
- 第七章:アジア諸地域の繁栄
- 第八章:近世ヨーロッパ世界の形成
- 第九章:近世ヨーロッパ世界の発展
- 第十章:近世ヨーロッパ・アメリカ世界の成立
- 第十一章:欧米における近代国民国家の発展
- 第十二章:アジア諸地域の動揺
- 第十三章:帝国主義とアジアの民族運動
- 第十四章:二つの世界大戦
- 第十五章:冷戦と第三世界の独立
- 第十六章:現在の世界
- 索引
まえがき
本書の簡単な紹介と、改訂版の作成意図などが述べられています。
本書の特色
本書の特色や構成の説明が箇条書きで3点述べらられています。
各用語の情報の構成・使用上の留意点
各用語は以下の情報で構成されています。
①英語表記や漢字の読み方
ヨーロッパ史などのカタカナ語の場合、英語での本来の表記が載っています。
また、中国史などの漢字の難しい単語を正確に覚えられるようにふりがなが載っています。
②難易度(7段階)
7冊の教科書に載っていて必須な単語は⑦、1冊の教科書の場合は①と表記されています。また難易度④までの用語は赤く色付けがなされています。
③年号
その出来事が起こったときの年が表記されています。数年間続いた場合もしっかり表記されています。
④その出来事の詳しい解説
教科書に載っていないような情報まで細かく記載されています。
⑤その単語が出てくる他のページ数
他のページにもでできた単語についてはそのページ数が載っています。
同じ単語が違う地域でも出てきたことがわかり、地域の関係性を把握するのに役立ちます。
世界史用語集の難易度
大学受験に必修の用語から難関大で問われるような難しい用語まで幅広く網羅しています。
どんな人におすすめか?
世界史の流れを理解している人
ある程度世界史の流れが頭の中に入っていて、さらに詳しく用語の内容を覚えたい人におすすめです。受験世界史は流れの理解が必須です。全てはそこから始まります。
ある程度の用語を知っていて、流れが理解できていれば本書を最大限に利用することができます。
難関大学を目指している人
各用語が詳しく解説されています。早慶大や難関国公立大学ではここに表記されているような細かい知識が問われます。ぜひ本書を読み込んで答えられるようにすることをおすすめします。
世界史の辞書が必要な人
世界史は「この用語なんだっけ?」となったときに教材を探しても載ってないなかったり、載っていても解説が少なかったりして、情報が一つに集まっていることが少ない科目です。そんなときに本書の索引を利用すればほぼ確実に情報を得ることができます。
世界史用語集の使い方
準備:世界史の流れを掴む
他の教材で世界史の流れを掴んでから本書を利用しましょう。
使い方①辞書として使う
問題を解いている時などでわからない単語はすぐ本書を引きます。
その場でしっかり考えても思い出せない場合は、すぐ本書を引きましょう。もやもやを引きずってはいけません。
一度引いた用語の意味や内容が再び曖昧になったときは、都度調べるようにしましょう。何回も引くうちにだんだんと定着していきます。
使い方②読み込んで理解を深める
前述の通り、本書は辞書がわりに使うということが一般的です。
しかしながら、筆者としては情報を頭の中に入れるために何度も通読するという使い方もお伝えしたいです。万人向けではありませんが、難関大を目指している人にはおすすめです。
あくまで用語集=辞書としてデザインされているので、決して読みやすいものではないですが、音読するなどして一日一章ずつのペースで、何周もするとしっかり定着します。筆者は夏休みなどの長い時間を使って1日1章×16日を2周するということをしました。
すぐ細かい知識を思い出せるようにならなくても大丈夫。演習を繰り返す中で、だんだん「この単語、用語集に載っていたな」と思える回数が増えます。そこからさらに詰めていけば、その知識が本当に自分のものにすることも可能です。筆者も早慶レベルで問われるような知識を頭に入れ、実際に試験で使えるようになりました。
世界史用語集で勉強するときの注意点
本書は非常に網羅性の高い用語集です。しかし、大学入試は高校受験などとは異なり、出題範囲が明確ではないですから、入試に出題されるすべての用語が本書から出るとは限りません。
筆者も、入試本番でこれまで見たことのない用語に出会ったことがありました。
完璧な教材というものはありません。本番で用語集にない問題が出たとしても、慌てず他の問題でとれるところを取るように心がけましょう。
実は、世界史用語集は、本記事で紹介しているもの以外にも複数存在しており、それぞれ収録されている内容が異なります。
大学の入試問題作成者は世界史の問題を作成する際に、市販の用語集を参照するといわれています。もうしそうであれば、本書だけではなく他の用語集も参考にしている可能性があるでしょう。
とはいえ、入試問題には本書の文章が使われていることも多くどの用語集を使うか迷ったら本書を選ぶと良いでしょう。
世界史用語集と併用したい参考書や問題集
- 『グローバルワイド 最新世界史図表 四訂版』
- 行きたい大学の過去問や考えていないが同じ難易度の大学の過去問
世界史用語集の前に取り組むべき問題集
- 『ナビゲーター世界史B』
- 『時代と流れで覚える!世界史B用語』
世界史用語集の後に取り組むべき問題集
- 『斉藤の世界史B一問一答 完全網羅版』
- 『山川一問一答世界史 第3版』
私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。
受験をはじめとした勉強において、固定的なカリキュラムや決まった勉強方法に生徒を適応させることに意識が向きがちです。
私たちはそれらを大切にすると同時に「生徒」を中心とした学習方法を提案し実践することが、生徒が勉強を楽しむことに繋がり、学力の向上につながると考えています。
「自分に合ったやり方で勉強したい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。