教材・本の紹介

物理のエッセンスの特徴と使い方

物理のエッセンスとは

物理のエッセンスは大学受験物理の定番の参考書・問題集です。[力学・波動編]と[熱・電磁気・原子編]の2冊に分かれています。

物理の最も基本となる感覚的な部分と、試験問題を解くための考え方がまとめられており、共通テスト対策や難関大学受験に向けた基礎固めにおすすめです。問題もある程度の数収録されており、入試問題の詳しい分析に基づいて作成されたオリジナル問題となっています。

物理の授業が始まった高校1・2年生、物理の重要事項を効率よく復習したい高校3年生、物理の問題を解くのに苦戦している人、物理を独学で勉強したい人など物理を勉強する多くの人におすすめの参考書になっています。

物理を学習する上で最も基本となる「感覚的な理解」と、問題を解く上で大切な「考え方の流れ」が身につきます。

解法のノウハウや、公式の体系を目に見える形で満載。がつくことを謳うものではありません。
河合出版HPより

物理のエッセンスの特徴

物理のエッセンスの特徴をざっくりまとめると以下のようになります。

  • 豊富な図を用いて直観的な理解をサポート
  • 物理の解法が定石化されている
  • 入試問題の詳しい分析により作成されたオリジナル問題

物理のエッセンスの基本情報

教材名
物理のエッセンス [力学・波動]/[熱・電磁気・原子]
著者
浜島 清利(はまじま きよとし)
出版社
株式会社 河合出版
サイズ
A5判
ページ数
[力学・波動編]参考書本編:165ページ・解答解説編:42ページ/[熱・電磁気・原子編]参考書本編:158ページ・解答解説編:37ページ
価格
税込924円(本体価格:840円)
販売
市販教材

物理のエッセンスの構成

[力学・波動編]と[熱・電磁気・原子編]の2冊に分かれています。
各冊とも物理現象の導入・解説を基本として、内容に応じて様々な補足や例題が掲載されています。
物理基礎・物理の区分は重視せず、分野別の編成となっています。

本文はまず解法定石や公式を示し、次にその導出を導き、最後に様々な補足をするという構成になっており、全体としてロジカルな構成になっています。

テーマの導入と解説

テーマの中で使用する概念や現象についての説明です。図が豊富に用いられており直観的に理解できるよう工夫されています。

解法定石

問題を解くための思考が箇条書きで示されています。考え方の流れや問題を解く手法が分かりやすくまとめられており、この手順を実行すれば、演習問題が解けるようになっています。

前書きでは、たくさんの解法が阿修羅の手に例えられています。

阿修羅は守護神。何本もの手を持ち戦います。多くの武器を用意しました。
物理のエッセンスp2より

解法の解説

解法がどのように導かれるのかを説明しています。身近な例なども活用しながら、簡潔にわかりやすくまとめられています。

例題と解説

具体的な例題を用いて公式や解法を利用の仕方が示されています。

つまずきを防ぐ追加サポート

「ちょっと一言」

ちょっとした注意事項や補足です。模範回答とは別の視点を与えてくれたり、解法の理解を深めてくれます。

「Miss」

出題者の狙い目になっている、間違えやすい誤答例やそのポイントが取り上げらています。

「Q&A」

筆者が多くの生徒から受けてきた質問、本質をつく疑問について対話形式で回答しています。

「知っておくとトク」

必ず覚えなければならないわけではないけれども、知っておくと問題を解くうえで有利になる知識がまとめられています。

「High」

物理の得意な人向けに書かれた部分です。他の部分とは違い、抽象的な解説でレベルの高い内容を扱っています。

演習問題

入試問題の詳しい分析により作成されたオリジナル問題です。本質的な理解を深めるためのエッセンスが詰まっています。
[力学・波動編]は184問、[熱・電磁気・原子編]は168問のっています。

物理のエッセンスの難易度

教材の難易度は基礎~共通テストレベルです。

一般的な物理の教科書に書かれていない、感覚的な理解のための解説や入試問題を解くための解法がのっており、入試対策の基礎が凝縮されているといえます。

他の物理の参考書と比べると本文の量は少なめで、解説は論理的かつ簡潔にまとめられています。ロジカルな文章に慣れているかどうかで読みやすさが変わると思います。

物理のエッセンスを仕上げれば、共通テストで満点を狙うための基礎力を身に付けることができます。また、大学の個別試験で出題されるような標準〜高難度の問題に挑戦する人の基礎固めにもちょうど良い難易度です。

どんな人におすすめか?

学校で物理基礎や物理を履修している高校1・2年生

学校で物理基礎や物理を履修していて、いずれ受験でも物理を使う可能性があるのであればお勧めです。学校の予復習をしながら大学入試に必要な力をつけることができます。

構成は物理基礎・物理が混ざっているため、物理基礎だけ学習したいという人は目次を確認して学習する箇所を選ぶ必要があります。

物理の重要事項を効率よく復習したい高校3年生・大学受験生

物理を勉強している受験生で、基礎固めの段階であれば、だれでもお勧めです。志望大学の問題の難易度・偏差値にかかわらず必要な内容を学習することができます。

文章表現のテイストや装丁は、やや硬い印象を受けるため人によっては別の参考書の方が良いと感じる場合があるかもしれません。逆に言えば、文章表現や装丁で第一印象が良くなかったとしても、ぜひ一度手にとって検討してもらいたい参考書です。

物理を独学で勉強したい人(人による)

人を選びますが、物理を独学で勉強したい人にお勧めできる場合もあります。教科書と比べて感覚的な理解を助ける説明が多く、教科書のように使うことができます。

本文が簡潔に書かれている分、学習する人の読解力が一定以上必要とされます。学校で物理の授業を受けていない初心者や久しぶりに物理を学習する人は、慎重に検討してみてください。

物理のエッセンスの使い方

使い方はシンプル、順番に解説を読み演習問題を解けば大丈夫です。

STEP1. 導入の解説・解法定石・例題等を読む

まずは、解説を読み進めていきます。文章は短いので、図を見ながら丁寧に読み解いていきましょう。補足事項も役に立つので
基本的に全部読むことをおすすめします。

STEP2. 演習問題を解く(1回目)

演習問題を解きます。先に学習した解法定石を使うことを意識しながら取り組みましょう。1回目は難しく感じるかもしれませんので、あまり時間をかけすぎず解説を読むことができればokくらいの気持ちで取り組んでも大丈夫です。

STEP3. 演習問題を解く(2回目以降)

間違えたり、自力では解けなかった演習問題は必ず2回目以降を解きましょう。自力で解けた問題はチェックをつけて、それ以降は自力で解けなかった問題のみを練習できるようにしておきます。自力で解ける問題が増えてきたら次のテキストに進んで良い合図です。

物理のエッセンスで勉強するときの注意点

解説スタイルに向き不向きはある

本文は結論や公式の提示から書かれていることが多く、人によってはイメージが掴めないまま読み進めなければならないということがあるかもしれません。まずはそのまま読み進め、全体を何回か読んで理解することに努めましょう。

わかりにくく感じた場合は、対話型の参考書・よりスモールステップで説明されている参考書を試してみると良いかもしれません。

公式を確認するだけの問題がない

セミナー物理や市販の易しめの問題集のように、純粋に公式を確認するだけの問題は載っていません。そのため、物理の初心者の中には例題や演習問題が難しく感じられる場合があるかもしれません。

演習問題の数・難易度は控えめ

参考書としては問題数が多く、問題集としての側面も持ちますが、入試対策としては問題の数・難易度ともに控えめです。物理のエッセンスを学習し終えたら『良問の風』や『物理重要問題集』といった問題集に進むことをお勧めします。

物理のエッセンスと併用したい参考書や問題集

演習問題の数を補う、より易しい問題を練習したい場合は網羅系の問題集が役に立ちます。

  • 『セミナー物理基礎+物理』
  • 『リードα物理基礎・物理』

物理のエッセンスの代わりに使える問題集

  • 『物理基礎問題精講』

物理のエッセンスの後に取り組むべき問題集

  • 『良問の風』
  • 『名門の森』
  • 『物理重要問題集』

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

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