教材・本の紹介

Z会『古文入門』の特徴と使い方

Z会 古文入門とは

Z会から出版されている、古文読解の練習帖。

シリーズものになっており、入門から初めて4つのレベルがあります。徐々に難しくなっていき、シリーズ最後の『最強の古文』は、早慶や国公立2次試験向けとなっています。

純粋な問題演習というよりは、古文を読むための要点を教わりながら読む練習ができる教本といった感じです。とはいえ問題量は決して少なくはありません。

苦手意識が強く文法だけフォーカスしてやりたい人は、まずは文法ドリルを終えてから本書に取り組むといいでしょう。昨今珍しい、イラスト・図解が少ない感じのレイアウト。少し古風なものが好きな人におすすめ。一つの文章ごとに辞書を引かせる仕組みになっているところもポイントです。

解説が丁寧で、古文の世界に浸れます。
同シリーズ『古文上達 解説』帯より

Z会 古文入門の特徴

Z会 古文入門の特徴をざっくりまとめると以下のようになります。

  • 読解・文法・背景知識を合わせた総合的な学習
  • ルビつき古語読解で初心者にやさしい
  • 近世から中世へと徐々に時代を遡る構成

Z会 古文入門の基本情報

教材名
古文入門 演習と読解23
著者
草土力
出版社
Z会
サイズ
A5判
ページ数
本体:232ページ・別冊回答:48ページ
価格
税込1210円(本体価格:1100円)
販売
市販教材

Z会 古文入門の構成

問題群は主に 3 つの章に分けられており、先に進むにつれて時代を遡る構成になっています。

  • 第 1 章(主に近世の文章)
  • 第 2 章(主に中世後期)
  • 第 3 章(主に中世・古代)

1つの問題ごとの構成は、以下のようになっています。

  1. 1. 本文
  2. 2. プロット
  3. 3. 辞書でチェック
  4. 4. ピックアップ
  5. 5. ゼミ
  6. 6. 文法ノート
  7. 7. ブレイク

巻末・章末に次のものがついています。

  1. 総合演習問題
  2. 入試問題を読む
  3. 索引
  4. 別冊解答

総合演習問題

各章の締めくくりに、本番に近い形式の問題があります。ぜひチャレンジしてみましょう。

入試問題を読む

3章まで終えたあと、入試と同じ形式の問題が3問掲載されています。

Z会 古文入門の難易度

問題には、ところどころ現代語のルビがふられているので、難しくはありません。古文が苦手な人にもやさしい難易度になっていると思います。逆に、ある程度の基礎が身につき、難関大のための力をつけたいと思っている人には少しやさしすぎるかもしれません。学校で古文が得意、あるいは好きだったというひとは、次の『古文上達』から始めるのがよいかもしれません。

どんな人におすすめか?

入門書ですので初心者におすすめです。ある程度できるけれど、なんとなく苦手意識があるから自分の理解度を試したいという人にもぜひおすすめしたい一冊です。

文法をひととおり終えて、これから読解の練習をしようと思っている人。これから文法を始めてみようと思う人は並行して進めるのもよしです。

これから古文を始める人は、古文の世界を手取り足取り教えてもらえるのでよいでしょう。

文法がすごく苦手という人は、一度文法ドリルをやってから臨むとよいでしょう。

Z会 古文入門の使い方

1日に1つや2つと決めてじっくり読みながら進めてください。問題だけやって終わり、にならないように注意しましょう。

1節ごとの流れは、次のようにするとよいでしょう。

  1. ①問題の最初に書かれている「着眼点」に注意しながら文章を読み、「プロット」でその答え合せをする。
  2. ②「辞書でチェック」の単語を辞書で引く。
  3. ③コラムやその他の解説を読んで知識を得る。
  4. ④「文法ノート」の解説を読み、問題を解いて理解を確認する。

Z会 古文入門で勉強するときの注意点

著者の説明をよく読むこと

「問題」と「解説」が事務的に配置されているのではなく、それらが有機的に統合されていることで、文章をじっくり読むという姿勢が身に付くかと思います。

辞書を引く

辞書をぜひ引きましょう。書く文章ごとに3つから4つ、大切な語をピックアップしてくれています。
本自体に解説も載っていますが、ぜひ自分でも調べてみましょう。わからないものを辞書で引くという体験自体が重要です。

終わったら次のレベルを

あくまで入門レベルなので、これ一冊で終わったと思わないように。もう一冊、次のレベルのものをやりましょう(終わったあとに取り組むもの参照)。

Z会 古文入門と併用したい参考書や問題集

Z会 古文入門の前に取り組むべき問題集

Z会 古文入門の後に取り組むべき問題集

目標校や本書を1周した手応えに応じて、中級の読解演習・解説書に進むと良いでしょう。例えば以下の2冊がおすすめです。

  • 古文上達 読解と演習45
  • 古文上達 読解と演習56

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

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この記事を書いた人

片岡 正義

主に国語・英語を担当。言語を理解する上での「からだ」と「あたま」の双方から楽しみを感じられるような授業をしたいと思っている。

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