日本史の勉強法と、世界史との違い

日本の歴史

去る10/27(日)第3回全統マーク模試が実施され、ティーシャルの大学受験生も日頃の成果を発揮すべく奮闘していました。

この模試は、ぼく自身も高校3年生時に受験したのですが、1日で5科7科目を受けるのがとてもしんどかったということを覚えています。受験生の皆さんお疲れ様です。

今回は日本史の勉強法について、世界史の違いに触れながら書いていきます。

日本史と世界史の選択

理系で国立志望だったぼくは社会の選択科目として日本史を選びました。日本史は理系には積極的には選ばれないことが多いですが、ぼくは地理/日本史/世界史の選択肢から日本史を選ぶのに数秒もかからなかったことを記憶しています。理由は単に好きだからです。

日本史を学習し始めたのは高校2年生からで、実は高校1年生のときは世界史(近代以降)が必修でした。しかし、受験科目には選ばなかった世界史はだんだんと記憶も薄れていき、未学習の古代中世のことはほとんど知らない状態でしたので、世界史の勉強をしたいと以前から思っていました。

図書館でたまたま手に取った世界史の本

ぼくの家の近所には横浜市立神奈川図書館があります。先日図書館に寄って棚をみていたときに、『グローバル時代の必須教養「都市」の世界史』という文字が目に飛び込んできました。比較的古くクラシックな背表紙が多い本の中でゴシック体で大きなフォントで書かれたタイトルは目立つ存在でした。

「グローバル時代の必須教養」はちょっと煽ってる雰囲気のタイトルですが、「都市」というキーワードに魅かれたことと、ほとんど無知なのだからこういうタイトルの本がちょうどいいだろうということで読んでみることにしました。

この本は、イスタンブール・デリー・カイロ・サマルカンド・北京・ニューヨーク・ロンドン・パリ・ベルリン・ローマの10の都市の歴史を紐解いていきます。著者は出口治明さんという方です。出版時はライフネット生命保険株式会社会長を務められ、2019年現在ではAPU(立命館アジア太平洋大学)の学長をされている方です。

グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史

なぜ、パリは「花の都」と呼ばれるほど美しい都市になったのか。なぜ、イスタンブルは「世界帝国の都」になったのか。なぜ、ローマは「永遠の都」と呼ばれるのか。イスタンブル、デリー、カイロ、サマルカンド、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、世界を牽引してきた10の都市の歴史から世界史を知る一冊。 amazon

印象に残ったところ

この記事では詳しい本の内容には触れませんが、読み終わった感想を同僚と話したときに印象に残ったところとしてパッと出てきたのはジョン欠地王とサン・バルテルミの虐殺でした。

ジョン欠地王は名前がキャッチー過ぎて忘れられないということもありますが、イギリスが(現在の)フランス国内にあんなに土地を持っていたことに驚きましたし、ジョンの失政がきっかけで近代憲法のマグナ・カルタが制定されたというのも歴史の偶然性を感じました。

サン・バルテルミの虐殺は内容の凄惨さもさることながら、事件が民衆暴動に発展していることに恐怖を覚えましたし、もしSNSがある時代に同様のことが起きたらSNSは暴動を鎮める効果を持つのか、拡げる効果を持つのかというようなことを考えさせられました。

世界史と日本史の違い

さて、久しぶりにまとまった世界史の知識に触れてみて改めて感じたのはスケールでか!ということとダイナミック!ということです。

世界史は時間的にも地理的にもスケールが大きく、複数の歴史の並行した流れを掴まなくてはなりません。そして、民族の移動があったり国境線がすぐに変わったり王様が他国から来たりと、ダイナミック(動的)な動きがたくさんあります。

ですから、世界史では地図を描き、並行する地域の歴史の関係を理解するためにノートに出来事や人物をまとめる学習が必要です。

関連記事:世界史の勉強法、および社会の選択科目の選び方

一方、日本史は時間軸は単一ですし、民族や国境線の移動もありません。一方世界史と比べると内容が深堀りされ、ストーリーも詳細になります。

そのため、単一の時間軸の穴埋め問題を解きながら、資料集や用語辞典で詳しい情報を調べる学習が有効です。

もちろん、ノートまとめ・穴埋めどちらとも日本史・世界史両方の学習に有効な学習方法です。

日本史の勉強法

最後にぼく自身の日本史の受験勉強方法について紹介します。

とはいってもやり方は非常にシンプルで学校の授業で使っていたプリントをひたすら繰り返すというものです。

  1. 学校の授業プリント(穴埋め式)をもらう。
  2. プリントをとき、正解したものには丸をつける。(ヒントや調べるのは禁止、プリントに直接書き込む。)
  3. 不正解のものは消してバツをつける、空欄のものはそのままバツをつける。
  4. 解答をみて、資料集や用語集を使い復習する。
  5. 一時代終わったら最初に戻り解き直す。
  6. 2〜5を繰り返す。
  7. 一周(あるいは半周でもいい)したら、新しくプリントをもらってきて2〜5を繰り返す。
  8. 実力がついたのを感じたら、マーク模試やセンタ-過去問などの演習をする。
  9. 本番が近づくにつれて演習の割合を増やす。

日本史の受験勉強を始めたのは高3の9月で第3回全統マークまでを一区切りとしたので約一ヶ月ほど、がっつり上記のやり方で勉強し、その後は緩めて理系の学習に専念しました。

なぜ、受験勉強を初めて最初に日本史に取り組んだかというと、ひとつは全統マークである程度の結果を出して気持ちを落ち着けたかったこと、もうひとつは単に好きだったからです。

国立志望の理系としては社会は優先度が最も低い場合が多いのではないかと思います。しかし日本史が好きなぼくとしては受験の結果とは関係がないところで、日本史満点をとりたいという欲望があったのです。(結局満点は取れませんでしたが97点をとることができました。)

受験は情報戦で戦略的にすすめるべきだというのはもちろんだと思っていますが、その中でひとつくらい「戦略からはずれた」楽しみをもって取り組んでみてはいかがでしょうか。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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