小学生の塾通いはいつから?塾に通い始める5つのケースも紹介

  • 小学生っていつ頃から塾に通っているの?
  • 中学受験の勉強っていつからやるものなの?
  • 学校の授業がわからないようだけれど、塾に行くべきか。

こんな疑問を持っている小学生の保護者の方へ。

この記事では小学生がどれくら学習塾に通っているか、どんな理由で通いはじめるのかについてまとめました。塾選びの参考にしていただけると幸いです。

小学生の通塾率はどれくらいか

はじめに、各種調査から小学生の通塾率・家庭教師利用率がどれくらいか、いつから塾に通っているかをみてみます。

最近11年間の推移

まずは、最近5年間の小学生の通塾率の推移をみてみましょう。文部科学省が毎年行なっている全国学力・学習状況調査の調査の結果をみると、2007年以降の公立小学生の年度別通塾率(家庭教師含む)がわかります。

調査は全国の小学6年生(4月時点)を対象に行われており、「学習塾(家庭教師の先生に教わっている場合も含みます。)にで勉強をしていますか。」といった質問に対し、選択肢を選んで回答するものです。

2011年は東日本大震災の影響で調査が実施されませんでした。また、2018年は「学習塾(家庭教師の先生に教わっている場合も含みます。)にで勉強をしていますか。」という質問がありませんでした。

まず、2007年から2012年は以下になります。

公立の小学6年生の通塾率推移(2007年-2012年・家庭教師含む)
2007 2008 2009 2010 2011 2012
通塾率 45.0% 48.5% 47.7% 47.7% 結果なし 47.8%

次に、2012年から2018年は以下になります。

公立の小学6年生の通塾率推移(2003年-2018年・家庭教師含む)
2013 2014 2015 2016 2017 2018
通塾率 49.4% 47.6% 47.0% 45.8% 46.0% 結果なし

2013年から2017年にかけて、通塾率はわずかに下がっているものの大きな変化はありません。公立小学生の通塾率は約45%となっていることがわかります。

公立・私立で比較

次に、公立と私立の小学生の通塾率を比べてみます。文部科学省が2年ごとに実施している平成28年度子供の学習費調査 をみると公立・私立別の小学生の学習塾と家庭教師費用の金額分布がわかります。

小学生の学習塾・家庭教師費用(2016年)
公立 私立
学習塾の支出が0円 62.2% 30.9%
学習塾の支出が1円以上 37.8% 69.1%
家庭教師の支出が0円 78.2% 70.9%
家庭教師の支出が1円以上 21.8% 29.1%

学習塾の支出が0円(=塾に通っていない人)の割合は公立小学校では62.2%、私立小学校では30.9%となっています。一方、学習塾の費用が1円以上の割合が公立小学生で37.8%、私立小学生で62.2%となります。この割合の人が1年間の中で学習塾を利用としたいうことになります。

家庭教師の支出は0円が公立小学校では78.2%、私立小学校では70.9%となっています。つまり1年間の中で家庭教師を利用した人の割合は、公立小学校では21.8%、私立小学校では29.1%ということになります。

学年別に比較

最後に、学年別の通塾率をみてみます。少し古いデータではありますが、文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告をみると、2007年11月時点での小学生の学年別通塾率がわかります。

小学生の学年別通塾率(2007年)
1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 全体
通塾率 15.9% 19.3% 21.4% 26.2% 33.3% 37.8% 25.9%

学年が上がるにつれて通塾率も上がっています。小学校3年生では約5人に1人、4年生では約4人に1人、5年生では約3人に1人が通塾していることがわかります。

平均の通塾率は約25%となります。

小学生の学年別家庭教師利用率(2007年)
1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 全体
利用率 0.3% 0.5% 0.6% 0.9% 2.1% 2.9% 0.9%

家庭教師利用率も通塾率と同様に学年が上がるにつれて上がっています。しかし、その値は全学年を通じて低く最も高い6年生でも3%弱となります。

塾に初めて通ったのはいつ?

文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告には、中学3年までに学習塾に通った経験がある人について、塾に初めて通った時期も調査されています。

学習塾に通い始めた年齢または学年
就学前 小学
1,2年生
小学
3.4年生
小学
5,6年生
中学
1年生
中学
2年生
中学
3年生
無回答
通塾率 17.7% 21.6% 18.6% 20.9% 11.3% 4.1% 2.9% 2.9%

通塾を始めた時期が最も多いのは小学1,2年生で21.6%、次に多いのが小学5,6年生で20.9%となります。表を見ると中3までに塾に通った経験がある人の78.8%が小学生のうちに塾に通い始めているということになります。

小学生が学習塾に通う理由

文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告には、通塾理由の調査結果も公表されています。調査結果のうち小学6年生のものは以下になります。

学習塾に通わせた理由(小学6年生)
学校の授業についていけないから
15.2%
学校の授業だけでは物足りないから
16.7%
学校の授業位は興味を示さないから
2.6%
学習塾では一人一人ていねいに教えてくれるから
18.4%
学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから
15.6%
進路選択や受験に必要な情報を得たいから
15.8%
家庭では勉強をみてやれないから
28.3%
一人では勉強しないから
23.9%
学校の先生にすすめられたから
0.3%
同級生の親または近所の人にすすめられたから
5.0%
友達が通っているから
10.8%
家庭教師より費用が少なくてすむから
2.2%
子供が希望するから
34.1%
その他
15.2%
特にない
1.6%

子供(小学生)を学習塾に通わせた理由は多い順に以下になります。

  1. 子供が希望するから(34.1%)
  2. 家庭では勉強をみてやれないから(28.3%)
  3. 一人では勉強しないから(23.9%)
  4. 学習塾では一人一人ていねいに教えてくれるから(18.4%)
  5. 学校の授業だけでは物足りないから(16.7%)
  6. 進路選択や受験に必要な情報を得たいから(15.8%)
  7. 学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから(15.6%)
  8. 学校の授業についていけないから(15.2%)

最も多い理由は、「子供が希望するから」です。ひょっとしたら意外に感じる方もいるのではないでしょうか。塾というと親に言われて仕方なくいくというイメージもあります。しかし、実際にうちの教室に来る生徒で、そういう人はほとんどおらず、子供と親で話し合って問い合わせをいただく場合が多いです。(きっかけが子供からかどうかはわかりませんが。)

子供が希望する理由といっても色々あると思いますが、一つには学校で行われている授業の難易度のミスマッチがありそうです。学習塾では一人一人ていねいに教えて欲しい(4位)、学校の授業だけでは物足りないから(5位)、学校の授業についていけないから(8位)があるように、学校の授業が難しすぎて塾に通う人、簡単すぎて塾に通う人が両方いることがわかります。

家庭では勉強をみてやれないから(2位)と一人では勉強しないから(3位)の2つも上位です。共働きの世帯で、子供が一人でいる時間に勉強してもらいたいが、なかなかそうはいかないという事情もありそうです。

受験や進路に関する理由もやはり多いです。進路選択や受験に必要な情報を得たいから(6位)、学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから(7位)などがあります。

塾に通い始める5つのケース

ここからは具体的な塾に通い始めるケースを紹介します。

1.中学受験の準備

中学受験準備は小学生が塾に通うケースとして代表的です。地域性もあると思いますが、うちの教室のある横浜市神奈川区では中学受験をする人の割合は約20%となっています。

では、中学受験の準備はいつからはじめるか。口コミや塾のサイトを見てみると、新3~新5年生から(前学年の2月から)塾に通うケースが多いようです。

早めの対策(新3~新4年生)を勧める理由としては例えば

  • 一定量の学習に取り組む習慣が早く身につくから
  • 大手塾で3年生からカリキュラムが組まれているから

などがあります。一方で新5年生からでも十分な理由としては

  • 気力と体力を本番まで持続するのが難しい
  • 習い事をある程度優先することができる

などがあります。

難関校を目指す場合大手塾のカリキュラムに合わせることは重要なことです。しかし、とりあえずカリキュラムにのせておいてダメだったらその時考えるというのは、子供に余計な負担と劣等感を与えてしまう可能性もあります。学習の習慣が早く身につくというのはその通りかもしれませんが、単に早ければ早いほどよいのであれば、もっと早くから始めるという考えがあってもよさそうです。

小学生は発達段階の個人差が大きいため、学年は目安程度に考えた方が良いでしょう。

勉強を楽しんでいるか、集中力はもつか、親の顔を伺っていないか、合否にかかわらずやってよかったといえそうかなど子供にとっての視点も大事ですし、同じくらい親がやっていけそうかを考えておくことも大事です。中学受験準備でストレスを抱えるのは子供よりむしろ親ですから。

5年生中盤以降に始める場合

5年生中盤以降に始める場合は個別にカリキュラムを組む必要があります。大手塾の中学受験のカリキュラムは網羅的で量も非常に多いため、特定の志望校に向けて学習する場合は不必要な学習内容も含まれているからです。遅く始めると、選択肢は限られてしまうものの能力・やる気・目標がマッチングすれば合格することは可能です。

2.学習習慣をつけたい

学習習慣をつくりたいという理由で塾に通うケースも多くあります。

この場合、はじめは通塾の目的が明確でないことも多いです。ただ通っているだけにならないように、塾のカリキュラムや指導方針を確認したうえで学習の目的目標を決めて、お子様に伝えてあげると効果的だと思います。

学習習慣をつけるという観点からすると、通塾日以外に家庭学習の学習時間をつくることができるかというのが重要だと思います。しかし、塾にとっても家庭学習がきちんとできているか把握するのはなかなか難しく、結局は家庭での親御さんの協力が家庭学習の実現に必要不可欠となることがほとんどです。

ご家庭でのフォローが申し分なくできるようであれば、塾に通わずとも市販の問題集を使った家庭学習でも十分かもしれません。ご家庭でよく話し合って通塾するかどうか検討することをお勧めします。

3.中学進学準備

高校受験を見据え、中学進学準備として塾に通うケースも多いです。

小学校の授業がとりわけ難しいわけではない、テストでも80点くらいは取ってくるし100点を取ることもある。でも中学に進学すると英語も本格的に始まるし、その後の高校受験を考えるとなんとなくの不安がある。できるだけ選択肢が多くなるようにしてあげたい。このように考えている保護者の方がいらっしゃるように思います。

こういった不安は子供はほとんど感じていないでしょう。もちろんゼロではないでしょうが親とのギャップは非常が大きいことは間違いないです。ですから、学習習慣をつけたいというケースと同様、ご家庭でよく話し合って通塾を検討してもらいたいと思います。

小学校のテストが80点くらいであれば、何かしら苦手な分野があるはずです。例えば国語であれば漢字、音読など、算数であれば分数、単位が苦手な場合などです。中学進学準備のための通塾をきっかけに、小学校の学習範囲でわからなくなっているところを復習するのは効果的です。予習は早くから始める必要性は低く、小学校の内容が理解できているのであれば中学進学前の春休みにすれば十分でしょう。

4.小学校の授業がわからない

小学校の授業がわからなくなってしまい、塾に通うケースもあります。苦手になる科目として特に多いのが算数ですが、国語など他の科目も含め全体的に勉強を苦手にしていることも珍しくはないようです。

すでに学校でやったものは内容・学習ペースなどが合わなくなってしまっているため、遡って学習する必要がありますが、何の学習をどのテキストでやればいいのか判断する難易度が高く、家庭でのフォローも比較的難しくなります。

この場合塾に求められることは、①学習のスタートポイントを適切に判断すること、②認知や理解の癖を把握しわかりやすい説明をすること、③できるようになったという経験を積むために適切な問題を選ぶこと、などが挙げられるでしょう。

このケースは、復習をする機会が遅くなればなるほど学校の授業がつまらなくなり、学習そのものに対してネガティブになってしまいます。通塾するかどうかに関わらずできるだけ早く、学校とは別軸の、実りのある学習をする機会をつくることをお勧めします。

5.学校の授業だけでは物足りない

上に示した塾に通う理由の中に「学校の授業だけでは物足りないから」というものがありました。こういった生徒のうち難易度が物足りないという生徒は中学受験をするケースが多いのでしょうが、中には受験はしない人もいると思います。また、難易度でなく質的に物足りない、学校とは違った学習をしたいという場合もあるかもしれません。

実際には、物足りないという理由だけで通塾することは多くはないでしょう。実際、私はこのような理由だけで通塾する生徒にまだ出会ったことはありません。しかし、通塾する人はたいてい、複合的な理由で通塾しています。他の理由で通塾する人が学校の授業に物足りなさを感じていることはあると思います。

そういう場合私なら、元々の目的に則った学習を行いつつ、個別的な対応を行います。難易度の高い問題を与える、どんどん先に進むといった通常の学習の延長にあるものから、論理ゲームや特定の分野の本を読んでみたり、プログラミングを紹介したりと色々試してみて、その生徒の興味に引っかかるものを探します。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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