• 中学生になったら塾に通った方がいいの?
  • 高校受験の勉強っていつからやるものなの?
  • 定期テストで高得点を取るために、塾に行くべきか。

こんな疑問を持っている中学生の保護者の方へ。

この記事では中学生がどれくら学習塾に通っているか、どんな理由で通いはじめるのかについてまとめました。塾選びの参考にしていただけると幸いです。

中学生の通塾率はどれくらいか

はじめに、各種調査から中学生の通塾率・家庭教師利用率がどれくらいか、いつから塾に通っているかをみてみます。

最近11年間の中学3年生(4月時点)の通塾率は約60%

まずは、最近5年間の中学生の通塾率の推移をみてみましょう。文部科学省が毎年行なっている全国学力・学習状況調査の調査の結果をみると、2007年以降の公立中学生の年度別通塾率(家庭教師含む)がわかります。

調査は全国の中学3年生(4月時点)を対象に行われており、「学習塾(家庭教師の先生に教わっている場合も含みます。)で勉強をしていますか。」といった質問に対し、選択肢を選んで回答するものです。

2011年は東日本大震災の影響で調査が実施されませんでした。また、2018年は「学習塾(家庭教師の先生に教わっている場合も含みます。)にで勉強をしていますか。」という質問がありませんでした。

まず、2007年から2012年は次の通りです。

中学3年生の通塾率推移(2007年-2012年・家庭教師含む)
2007 2008 2009 2010 2011 2012
通塾率 59.5% 63.8% 62.9% 62.1% 結果なし 62.7%

2012年から2018年は次の通りです。

中学3年生の通塾率推移(2003年-2018年・家庭教師含む)
2013 2014 2015 2016 2017 2018
通塾率 60.4% 60.5% 61.1% 61.1% 61.5% 結果なし

2013年から2017年にかけて、通塾率はわずかに下がっているものの大きな変化はありません。中学3学生の通塾率は約60%となっていることがわかります。

公立・私立で比較

次に、公立と私立の中学生(全学年)の通塾率を比べてみます。文部科学省が2年ごとに実施している平成28年度子供の学習費調査 をみると公立・私立別の中学生の学習塾と家庭教師費用の金額分布がわかります。

中学生の学習塾・家庭教師費用(2016年)
公立 私立
学習塾の支出が0円 31.1% 45.2%
学習塾の支出が1円以上 68.9% 54.8%
家庭教師の支出が0円 77.4% 79.9%
家庭教師の支出が1円以上 22.6% 20.1%

学習塾の支出が0円(=塾に通っていない人)の割合は公立中学校では31.1%、私立中学校では45.2%となっています。一方、学習塾の費用が1円以上の割合が公立中学生で68.9%、私立中学生で54.8%となります。この割合の人が1年間の中で学習塾を利用としたいうことになります。

家庭教師の支出は0円が公立中学校では77.4%、私立小学校では79.9%となっています。つまり1年間の中で家庭教師を利用した人の割合は、公立中学校では22.6%、私立中学校では20.1%ということになります。

学年別に比較

最後に、学年別の通塾率をみてみます。少し古いデータではありますが、文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告をみると、2007年11月時点での中学生の学年別通塾率がわかります。

中学生の学年別通塾率(2007年)
1年生 2年生 3年生 全体
通塾率 45.1% 50.9% 65.2% 53.5%

学年が上がるにつれて通塾率も上がっています。中学1,2年生では約2人に1人、3年生では約3人に2人が通塾していることがわかります。

平均の通塾率は53.5%となります。

中学生の学年別家庭教師利用率(2007年)
1年生 2年生 3年生 全体
利用率 3.2% 4.2% 6.8% 4.7%

家庭教師利用率も通塾率と同様に学年が上がるにつれて上がっています。全体では4.7%になっており、20人に1人ほどが家庭教師を利用していることになります。

8割が中学入学前に塾に通ったことがある

文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告には、中学3年までに学習塾に通った経験がある人について、塾に初めて通った時期も調査されています。

学習塾に通い始めた年齢または学年
中学入学前 中学
1年生
中学
2年生
中学
3年生
無回答
通塾率 78.8% 11.3% 4.1% 2.9% 2.9%

通塾を始めた時期が最も多いのは中学校入学前で78.8%が小学生のうちに塾に通い始めています。中学3年生で初めて塾に通う人の割合は2.9%ほどしかありませんでした。

中学生が学習塾に通う理由

文部科学省の子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告には、通塾理由の調査結果も公表されています。調査結果のうち公立中学3年生のものは以下になります。

学習塾に通わせた理由(中学3年生)
学校の授業についていけないから
23.6%
学校の授業だけでは物足りないから
12.9%
学校の授業には興味を示さないから
2.8%
学習塾では一人一人ていねいに教えてくれるから
19.1%
学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから
33.9%
進路選択や受験に必要な情報を得たいから
25.7%
家庭では勉強をみてやれないから
31.0%
一人では勉強しないから
32.7%
学校の先生にすすめられたから
0.7%
同級生の親または近所の人にすすめられたから
3.3%
友達が通っているから
9.5%
家庭教師より費用が少なくてすむから
2.9%
子供が希望するから
35.3%
その他
7.2%
特にない
1.0%

子供(中学生)を学習塾に通わせた理由は多い順に以下になります。

  1. 子供が希望するから(35.3%)
  2. 学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから(33.9%)
  3. 一人では勉強しないから(32.7%)
  4. 家庭では勉強をみてやれないから(31.0%)
  5. 進路選択や受験に必要な情報を得たいから(25.7%)
  6. 学校の授業についていけないから(23.6%)
  7. 学習塾では一人一人ていねいに教えてくれるから(19.1%)

最も多い理由は、「子供が希望するから」です。ひょっとしたら意外に感じる方もいるのではないでしょうか。塾というと親に言われて仕方なくいくというイメージもあります。しかし、実際にうちの教室に来る生徒で、そういう人はほとんどおらず、子供と親で話し合って問い合わせをいただく場合が多いです。(きっかけが子供からかどうかはわかりませんが。)

学校の授業だけでは受験勉強が十分にできないから(2位)、進路選択や受験に必要な情報を得たいから(5位)のように高校受験を意識した理由が上位になっています。公立中学生のほとんどが高校受験と言うことを考える自然な結果です。

一人では勉強しないから(3位)、家庭では勉強をみてやれないから(4位)の2つも上位です。勉強する環境としての役割が塾に求められていることがわかります。

塾に通い始める5つのケース

ここからは具体的な塾に通い始めるケースを紹介します。

1.中学準備として小学校6年の終わり頃から通いはいめる

小学校6年生の終わり頃から中学校の予習のために塾通いを始めるケースがあります。特に数学・英語の予習をして最初のテストで良い点を取り、勢いをつけるということも可能です。

中学校に入ると勉強面・部活・生活スケジュールなど環境も大きく変わりますから余裕を持っておくというのは良いことだと思います。一方で、ただでさえ生活環境が変わって大変な中塾通いをすること自体の負担も小さくありません。

中学入学前は家庭学習で予習を行い、生活が落ち着いてから必要であれば塾を検討するのも一つの手だと思います。

2.中学校の授業が難しくなる、中1の後半〜中2に通い始める

私立の中学生に多いのがこのケースです。

中1の後半〜中2にかけて、英語・数学を中心に学習内容の難易度が上がってきます。英語では文法、数学では文字式の計算・文章題・関数などつまずきやすいポイントです。

この場合の問題は今習っている学習内容だけでなく、以前に習った単元も理解が曖昧になっていることが多いということです。授業を理解するためには「これまでの学習内容」「新しい学習内容」の両方を理解する必要があります、

3.成績が悪いわけではないが学習習慣がほとんどないことを心配して通わせる

中学生になると親の発言に対して反発することも増えてきます。学習習慣がない子供に対して、親としては将来の選択肢を増やすためにもある程度の勉強をしてもらいたいが子供に直接言っても効果がない。そこで塾に通って勉強する時間を確保し、学習習慣をつけるというわけです。

その場合、通塾の目的や学習の目標が明確でないことも多いです。せっかくお金をかけて塾に通うのであればしっかり目的や目標を定めて通いたいものです。親から見たら何も考えていないように見える中学生でも、本人なりに考えていることもありますから、塾に本人が考えていることを引き出してもらう役割を担ってもらうのもいいかもしれません。

4.受験を意識し始め、そろそろ内申点や定期試験の結果を伸ばしたいと中2に通い始める

中学2~3年生になると、親はもちろん生徒本人もだんだんと高校受験のことを意識しはじめます。志望校がどこか、合格に何点必要なのかといった具体的なことはまだわからないけれども、とりあえず苦手科目を無くしたり定期テストの点を全体的にあげたいと考えるようになります。(このタイミングは個人差が大きいですが…。)

この場合も、通塾の目的や学習の目標をより明確にすることを心がけると良いと思います。親子間・家庭と塾の間で十分なやり取りをして体制をつくれば有効に機能しやすいのではないかと思います。

5.高校受験の対策として中3になってから通い始める

最後に高校受験の対策のために塾に通うケースです。筆者も高校受験のために中学3年生の夏休みに初めて塾に通いましたが、上記のデータではその割合はたった2.9%に過ぎないのは意外でした。

この場合は目的は志望校合格と明確ですが、実際に学習する内容は個人差が大きくなります。予習をどんどんして3年生の学習を早く終わらせるのか、内申点重視で定期テストに向けて勉強するのか、1・2年生の内容も含めてこれまでの復習も行うのか、現状と目標に応じて必要なものを選択し、それが可能な塾を検討することをおすすめします。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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