塾の選び方ガイド

小学生の塾の費用相場【12の塾を比較/公立vs私立】

塾の費用

「小学生の塾通いにかかる費用の相場は?」
「中学受験のため塾に通うといくらかかる」
「塾の料金がわかりにくくて比較するのが大変。」

小学生のお子様がいる保護者の方であればこんな悩みや心配を感じている方が多いのではないでしょうか?

この記事では小学生が塾に通うとどれくらい費用がかかるのかまとめました。

通塾費用の内訳

塾の費用は以下のように分類されます。

  • 授業料:毎月の授業料
  • 諸経費:印刷費・通信費・管理費等で月額固定でかかる費用
  • 入会金:入会時にかかる費用
  • 教材費:教材購入時に必要な費用
  • 模試費用:模試受験にかかる費用
  • 季節講習費:夏期・冬期・春期講習にかかる費用
  • その他:受験前の特訓や合宿など

学年別学習塾費用

文部科学省が2年ごとに実施している令和3年度子供の学習費調査(文部科学省) によると、小学生の学年別学習塾費用平均(年額、公立と私立の比較)は以下になります。

小学生の学習塾費の年額平均(学年別・公立私立で比較)
  公立 私立
1年生 ¥31,181 ¥171,797
2年生 ¥33,365 ¥127,924
3年生 ¥54,172 ¥208,636
4年生 ¥81,635 ¥303,449
5年生 ¥125,821 ¥433,441
6年生 ¥155,013 ¥405,057
全学年平均 ¥81,158 ¥273,629

公立と私立の比較

小学1年生は公立が約3万円なのに対し、私立は約17万円と公立の5倍以上になっています。学年が上がるにつれて公立の金額が上がり倍率は小さくなりますが、どの学年をみても私立が公立の金額を大きく上回っています。

6年生は私立約40万円なのに対し公立は約15万円ですが、5年前の同調査のと比べると私立は微減、公立は約1.5倍となっていることから、公立小学生の中学受験率熱が高まっていることが推測されます。

通塾率はどれくらいか

同資料では、小学生の学習塾費の金額分布(公立と私立の比較)も見ることができます。

小学生の学習塾費の金額分布
  公立小学校 私立小学校
0円 61.1% 27.0%
~1万円未満 2.3% 1.6%
~5万円未満 7.1% 5.8%
~10万円未満 7.5% 8.5%
~20万円未満 10.4% 14.6%
~30万円未満 4.3% 11.7%
~40万円未満 1.8% 6.7%
40万円以上 5.6% 24.2%
1円以上支出者の平均額 ¥208,000 ¥375,000

表の一番上、0円を見てみると公立小学生の61.1%、私立小学生の27.0%は塾に通っていないことがわかります。逆にいうと公立小学生の通塾率は38.9%、私立小学生の通塾率は83.0%ということです。公立小学生の3人に1人、私立中学生の3人に2人以上が塾に通っているということになります。これは5年前の調査とほとんど変わっていません。

また、塾に通っている人(1円以上支出者)の平均額は公立で約20万円、私立で約37.5万円で私立が公立の約1.8倍になっています。

通っていない人も含めた平均で比較すると私立は公立の約3.7倍でしたので、私立は公立に比べ、通塾率、かける金額ともに2倍近くの水準になっているということがわかります。

塾ごとに費用を比較

ここまで小学生が塾に通う場合の平均費用や公立と私立の違いをみてきました。

次は実際に塾に通う場合はどうなるかを具体的にみてみましょう。

今回は集団塾と個別塾に分けて小学6年生の月額(税抜)で比較します。また、塾の値段はエリアによって相場が異なるため地域を私が運営する塾のある神奈川県に限らせていただきます。

小学生の集団塾(中学受験)の費用を比較

通常授業の月謝

まず集団塾の通常授業の費用を比較します。比較ルールは以下になります。

  • 通常授業、季節講習、その他講習、総額に分けて算出
  • 中学受験(4科目)のコースで比較
  • 授業料は月額(月謝の目安がわかるようにするため)
  • 諸経費は年間の金額(比較しやすくするため)
小学6年生(中学受験)の集団塾の費用比較
塾名 授業料(月額) 入会金 教材費・諸経費(年間) 模試・テスト費(年間)
SAPIX ¥54,000 ¥30,000 ¥0
(地図帳や書籍の問題集は別途)
¥11,000(志望校判定:2回)
¥22,000(合格力判定:4回)
¥16,500(学校別:3回の場合)
四谷大塚 ¥52,500(~7月)
¥72,500(9月~)
¥20,000 ¥37,200 ¥28,800(合不合:6回)
¥14,400(学校別:3回)
日能研 ¥37,800 ¥20,000 ¥33,220(前期)
¥41,240(後期)
¥21,000(前期:6回)
¥25,000(後期:5回)
¥59,500(学習力育成テスト:17回)
¥42,000(合格力育成・合格力実践テスト:12回)
早稲田アカデミー(Sコース) ¥40,000 ¥20,000 ¥31,667 あり(金額不明)

集団塾の授業料相場は40,000~50,000円

塾によってばらつきはありますが小学生の集団塾の授業料は4万~5万円が相場のようです。

季節講習の費用

次に集団塾の春期講習、夏期講習、冬期講習を比較します。

小学6年生(中学受験)の集団塾の季節講習の費用比較
塾名 春期講習 夏期講習 冬期講習
SAPIX 約¥37,800 ¥189,000 約¥50,000
四谷大塚 ¥67,500 ¥178,000 ¥63,500
日能研 ¥56,700 ¥156,600 ¥143,300
早稲田アカデミー(Sコース) ¥52,500 ¥151,019 ¥66,389

季節講習の費用は塾ごとのばらつきはありますがどの塾も夏期が一番高く、次に冬期、春期が最も安いという順番になっています。夏期講習は期間が長いため、冬期講習は受験直前で授業の回数が多くなるためです。また、正月特訓、直前特訓、合宿などに参加する場合はさらに費用がかかります。

その他講習・特訓の費用

中学受験の講習や特訓は季節講習だけではありません。通常授業以外に日曜に志望校別の特訓をやったり、GWや夏期講習中の特別特訓、正月特訓などです。

小学6年生(中学受験)の集団塾の特別講習の費用比較
塾名 GW講習 夏期特訓 正月特訓 その他特訓
SAPIX ¥37,000 ¥64,000 約¥50,000 約¥260,000(難関校SS特訓、9月~)
四谷大塚 ¥70,000(選抜合宿) ¥12,000 ¥147,500(学校別対策コース)
日能研 ¥213,372(日特、難関校日特)
早稲田アカデミー(Sコース) ¥83,333(合宿) 約¥60,000 約¥400,000(NN志望校別コース・土曜YT講座)

塾によってどこに力を入れているかの違いが出ます。

中学受験で大手集団塾に通うと結局いくらかかるのか

ここまでの金額をまとめたのが以下の表になります。

小学6年生(中学受験)の集団塾の総費用比較
  SAPIX 四谷大塚 日能研 早稲田アカデミー(Sコース)
小6の総費用(概算) ¥1,385,300 ¥1,348,900 ¥1,245,532 ¥1,374,908

小学6年生の中学受験の年間総費用は120万~140万円となりました。SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミーに比べて日能研が少し安いという結果となりました。

小学生の個別指導塾の費用を比較

通常授業の月謝

個別指導塾の場合は「費用は目標達成に向けた最適なカリキュラムによってかわります」という理由で、問い合わせをしないと授業料を教えてくれないところが多いです。料金を教える代わりに個人情報をもらうというしくみですね。

比較ルールは以下になります。

  • 比較する金額は授業料、入会金、諸経費の3つ
  • 各塾のメインとなる生徒講師の人数比を併記
  • 週1回で比較(比較しやすくするため)
  • 授業料・諸経費ともに月額(月謝の目安がわかるようにするため)
小学6年生の個別指導の費用比較
塾名 授業料(月額) 諸経費(月額) 入会金
個太郎塾(1対2) ¥14,100 ¥3,000 ¥15,000
城南コベッツ(1対2) 約¥14,000 ¥3,050 ¥0
スクールIE(1対2) ¥14,500 ¥2,250 ¥20,000
TOMAS(1対1) ¥35,000 不明 ¥25,000
東京個別指導学院(1対2) 不明 ¥1,836~ ¥0
明光義塾(1対3) ¥12,000 ¥2,700 ¥0
臨海セレクト(1対2) 約¥11,500 不明 不明
ティーシャル(弊塾・1対2) ¥14,800 ¥2,000 ¥10,000

個別指導塾の費用相場は16,000円ほど

個別指導塾の月の授業料は14,000円前後になっています。月の諸経費と合わせると個別指導塾の月謝の相場は16,000円前後になります。

上記は週1回の金額なので週の回数に応じて比例的に高くなっていきます。(塾によっては回数を増やすと割引になることもあります。)集団塾と同じ週回数で比較すると個別指導塾の授業料は高くなります。

ただ、個別指導塾は授業回数を柔軟に決められるため、効率的なカリキュラムを組み、自習などと組み合わせることで費用を抑えることも可能です。

季節講習の費用

個別指導塾の季節講習では生徒ごとに授業数を決めることが多いです。そのため、かかる費用の幅が大きくなります。

目安としては通常授業と講習授業と合わせて普段の2倍ほどと考えておけば良いでしょう。

もちろん、とる授業の数によって授業料は変わりますから講習期間は1円もかけずに済ませることもできる一方で、たくさん授業を取った場合は数10万円になってしまうこともあります。

個別指導は一コマあたりの授業料が比較的高いため、苦手分野を全て授業時間に勉強しようとするとコマ数が多くなり費用もかかってしまいます。(ある有名個別指導塾で夏期講習100コマとか、受験前は1日7コマ授業をとったという人を知っています。)

ですから、講習授業で何をやるのか、宿題や自習では何をやるのか、授業以外のサポートはどうかまで考えて教室を選ぶことをおすすめします。

また、一部の塾では講習を自動的に受講することになるシステムになっています。入塾前にチェックして講習が不必要な場合は早めに連絡することをお勧めします。

塾を選ぶ際のポイント

通塾の効果は必ずしも値段に比例するわけではありません。

相性が悪かったり塾の制度を活かしきれない場合は、費用に対して効果が少なく感じてしまうこともあると思いますし、逆に生徒にとって良い学習の場として機能すれば、とても費用対効果が高くなることもあります。

通塾目的の共有

通塾の目的を、生徒・保護者・塾の3者でしっかり共有した上で入塾を検討することをお勧めします。

生徒にとっては勉強の根本的な動機はっきりしている方が勉強に身が入るでしょう。保護者にとっては費用に対して効果が出ているかを判断する助けになるでしょう。塾にとっても指導方針や学習内容を決める上で大きな助けになります。

ケースによっては目的が曖昧だったり「塾に通うこと」そのものが目的になることもあると思います。通塾目的は必ずしも明確になっていなければいけないものではありません。通塾目的の検討を通じて自身の勉強を省みるきっかけになれば良いと思います。

授業以外のサポート体制

小学生が効果的な学習を行うには授業以外のサポートが不可欠です。自習室の利用・学習内容の指示出し・宿題などのサポート体制がどうなっているかも確認しておくと良いでしょう。

前向きに通いたいと感じるか

塾のサポートが充実していたり、質問できる制度が整っていたとしても、生徒がそれを使わなければ意味がありません。塾の雰囲気や環境が生徒とマッチングしているかも重要です。

まとめ

小学生の塾にかかる費用についてみてきました。

塾を選ぶということは、子どもがこれから身につける習慣や知識を選択するということでもあります。

安くない費用がかかりますから、見学や体験など実際にその塾に触れて選ぶようにすることをお勧めします。あなたの塾選びの参考になれば幸いです。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちはカリキュラムを大切にすると同時に、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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