目的語とは何か理解する

目的語は、主語、動詞にくらべて少し説明・理解が難しいと感じます。その理由として、目的語の「目的」という言葉の意味が、日本語で日常使う「目的」の意味と少し違うことがあげられるのではないかと思います。
このページでは英文法における目的語とは何かについて説明します。
目的語は行為の理由を表すのか
目的語の説明・理解が難しいと感じるのはなぜか。おそらく、「目的語」という言葉を字面だけみると、「何のために◯◯するのか」のように、行動の理由を表す言葉、のように思えるからなのではないでしょうか。
しかし、実際には英文法の目的語というのは、このような「行為や行動の理由」を表すものとは違っています。まずはこのことを意識して、では、英文法の目的語(O:Object)とは何なのかを、理解していきましょう。
行為の目的地としての目的語(直接目的語)
結論を先に言うならば、英文法における「目的語」とは、動詞が表す動作や行為の向かう先を表しています。どういう意味でしょうか。具体例をあげて、考えましょう。
We watch TV every day together.
(ボブと私は、毎日一緒にテレビを見る。)
この文では、「TV」が目的語です。目的語は行為の向かう先なのでした。この文での動詞は、watch(見る)ですね。 見る、という行為は、何かを見る形で成り立っています。少し変な言い方になりますが、見るものがなければ、見るという行為はできないわけですね。上ではTVを挙げましたが、写真とか、映画とか、何か見るためのものが、見るという行為には必要なわけです。
別の例として、「バットで打つ」や「話す」という行為を考えてみてください。必ず、「何かを」打つ、「何かを」話すというように、打つための何か、話すための何か(あるいは誰か)が必要だ、ということがイメージできるのではないでしょうか。
この「何か」あるいは「誰か」のことを、目的語といいます。打つ。何を?ボールを。話す。何を?英語を。のように、行為には、行き先、目的地が必要な場合があります。このような意味で、目的語とは、動詞が表す動作の向かう先だ、と言うことができるのです。
I hit the ball with a bat.
(私はバットでボールを打った)
Bob speaks a little bit of Chinese.
(ボブは少しの中国語を話す→中国が少し喋れる)
目的語が2つある場合と間接目的語
また、目的地=目的語が2つある動詞もあります。「教える」「あげる」「送る」「見せる」などがそうで、「何を」の他に「誰に」が目的地となります。
a. We teach Tom Japanese.
(私たちはトムに日本語を教えている。)
この場合、「トム」と「日本語」が両方ともに目的語であり、片方を直接目的語、もう片方を間接目的語と呼んで、区別することもあります。
動詞との間に、forやtoなどの前置詞を入れることができるものを、間接目的語といいます。この場合は、Tomがそうで、前置詞を入れた場合は、次のように書きます。
b. We teach Japanese to Tom.
(私たちはトムに日本語を教えている。)
意味はそれほど大きく変わりませんが、a. の方が、トムが日本語をしっかり理解している、というニュアンスが強いようです。
一般に、間接目的語は「〜に」と訳し、行為の相手を表します。
一方、直接目的語(上の文では「日本語」)は間に前置詞を挟むことはできず、「〜を」という訳になります。間に前置詞を挟むことができない=より深く、直接に動詞と結びついている、という意味で、直接目的語というのだ、と考えるといいでしょう。
まとめ
以上、ここでは目的語について説明しました。最後にまとめると、
- 行為の向かう先をあらわし、行為を成立させるもの
- 目的語には2種類ある
- 直接目的語は「〜を」と訳し、間に前置詞をおかない
- 間接目的語は「〜に」と訳し、間に前置詞をおくことができる
ということを説明しました。目的語という概念は日本語にはなく、英語らしい考え方といえます。しっかり理解し、英語学習の基盤としたいところです。
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