自動詞と他動詞の見分け方/完了形の使い方についてのある生徒との会話

こんにちは片岡です。

先週、自習をより充実したものにするため、ある1人の大学受験の生徒と一緒に参考書を探しに行きました。説明が充実しているものとして、関正生先生の「大学入試 世界一わかりやすい」シリーズから、『英文読解の特別講座』『英文法・語法の特別講座 』を勧めました。感触は良さそうで、後日買ってくれたようです。

今回はその参考書を読んだある生徒との「自動詞と他動詞の見分け方」と「完了形の使い方」についての会話を紹介します。

参考書を読んだ生徒が理解したことを伝えにきてくれた

最初に紹介した『英文読解の特別講座』『英文法・語法の特別講座 』を買った後、改めてこんなふうに進めていこうかという打ち合わせをして、昨日から始めてみました。すると、進めていてわかったことをこちらに報告してくれるようになりました。

特にこちらからそのように指示を出したわけではないのですが、とてもいいことだなと思ってみています。

理解したことを人に説明することで、得られる知識も確かなものになるといいますしね。

また、彼が教えてくれることを聞くことで、僕自身「なるほど、こういう風に理解していくんだな…」という意味でも勉強になります。

そこで思いついたのですが、彼が教えてくれることをここで連載にしていったら、何か世の人のためにもなるのではないか…と思って、ここで連載していくことにしたいと思います。(連載するといってしていない過去の企画の影を感じる)

今日の報告をそのまま記事にしてみたいと思います。今日のテーマは自動詞/他動詞と完了形でした。今しがた聞いた彼の言葉を、そのままなるべく載せていきます。

自動詞と他動詞の見分け方についての会話

生徒「あれですね、他動詞は、ツッコミが入る動詞なんですね。ツッコミが入らない動詞は、自動詞なんですね。」

私「なるほど?」

生徒「だから、例えば、〈私は考える〉って言ったら、「何を?」ってツッコミが入るじゃないですか。これが、他動詞ってやつですね」

私「ふむふむ」

生徒「それで、例えば、〈私は住んでいる〉って言っても、「なるほど」って言ってツッコミは入らないじゃないですか。だから、住んでいるは、自動詞なんですよ」

私「なるほど。いきなり、「俺は知っているぜ」と言われても、「何を?」と聞きたくなる。情報が足りない感じがする。それが他動詞。それに対して、自動詞は「私は住んでいるんです」って言われても、「何を?」とは聞き返さない。それは他動詞ではない。なるほどね。他の観点はなかった?」

生徒「あとは、後ろに名詞が続いているかどうかとか…」

私「そうだよね。「私は住んでいる」に対し、「何を?」とは聞き返さないけど、「どこに?」とはツッコミたくなる。でもそれは他動詞だろうか? そうではない*1。なぜなら、「どこに?」のツッコミに対して例えば「神奈川に」と答える場合、英語では「in Kanagawa」となって前置詞が続く。他動詞は後ろに目的語、すなわち名詞がくるから、その観点から考えると「私は住んでいる」のliveは他動詞ではない。明確だ」

生徒「他動詞か自動詞かを見分けるには、二つの観点から考えるといいってことですか」

私「そう言えるかもね。一つ目は、「誰かが◯◯する」と言った時に、「何を?」というツッコミが入るかどうか。付け加えるなら、「誰に?/何に?」という相手を聞きたくなるものも他動詞だと言えるね。

それと、もう一つの観点が、後ろに名詞が続くか、前置詞が続くか。名詞が続いているなら、それはその動詞に対しての目的語になっている可能性が高い。目的語をとる動詞を他動詞と呼ぶのだから、その名詞が「◯◯を」「◯◯に」という相手や対象を表しているなら、その動詞は他動詞であると言ってよいだろうね」

*1 動詞「live」は、 live a long life(長生きする<= 長い人生を生きる)など他動詞としての用法もある

完了形の使い方についての会話:基準が明確かどうか

生徒「もうひとつ、完了形の使い方もわかりましたよ」

私「ほほう」

生徒「完了形は、基準が明確じゃないと使っちゃいけないんです。例えば、「昔住んでいた」っていっても、どこの「昔」か基準が明確じゃないじゃないですか。こういう時は完了形じゃなくて、過去形を使うんですよね。でも、「10歳の頃まで」って言ったら、〈いつまで〉って基準が明確じゃないですか。だから、完了形を使っていいんですよ」

ここまできて、彼のいう「基準」が何を指しているか分かった私は、こう言いました。

私「そこでいう〈基準〉というのは、なるほど、始点か終点のようだね。〈いついつから3年間〉や〈いついつまでの何年間〉だったら、始まりか終わりが明確に決まっている。こういう時は完了形が向いている。し、使ってもいい。でも、始まりも終わりも明確じゃない漠然とした期間を表す場合、完了形は使えない。そういうことかな?」

生徒「そうだと思います」

まとめ

このあと、彼に「この会話、面白かったからブログにあげていい?」と訊いて、「いいっすよ」と快諾を得たので、ここに掲載したいと思います。

彼からの報告が続く限り、続けていけたらと思う次第です。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

片岡 正義

主に国語・英語を担当。言語を理解する上での「からだ」と「あたま」の双方から楽しみを感じられるような授業をしたいと思っている。

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