【解説】2015神奈川県公立高校入試 数学-問2(オ)

神奈川県公立入試

こんにちは。数学を教えている深川です。
神奈川県公立高校入試の数学について気になる問題をテーマに
これからしばらく週2回を目標に解説を書いていきます。

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今回は問2の(オ) 変化の割合の定番の問題です

神奈川県平成27年度:問2(オ)

関数 y = ax^2 について、x の値が -3 から -1 まで増加するときの
変化の割合が -3 であった。このとき a の値を求めなさい。
(「^2」という表現は2乗を表現しています。)

しっかり勉強してきた人にとって、この問題は定番でしょう。

まずは変化の割合の求め方をはっきりと意識する解き方。

変化の割合は、
変化の割合の定義

で求めることができます。

「 x の増加量 ぶんの y の増加量」と呪文のように唱えて覚えてください。
このことから以下のようにして解けます。

y = ax^2 について、
x = -1 のとき y = a
x = -3 のとき y = 9a
なので、

変化の割合の計算

変化の割合は -3 なので、

aの方程式を解く

 

言葉の定義に沿って解くこの方法を僕は好きです。

しかし受験は準備が勝負です。
定番の問題には素早い解法を用意しておいたほうがよいでしょう。

もっと早い解き方がある!

中学数学の範囲では二次関数のグラフの頂点は必ず原点を通ります。

この条件を満たしている二次関数では、
変化の割合は以下の公式で求めることが出来ます。

二次関数上の2点 P、Q の X 座標をそれぞれ p 、q とすると、

変化の割合 = a( p + q )

この公式を使って改めて問題を解くと、

変化の割合 = a { (-1) + (-3) } = -4a

変化の割合は -3 なので、

変化の割合の計算

 

先ほど紹介した変化の割合の求め方より、随分とスッキリしましたね。

なぜ同じ答えになるの?

数学の指導をしていてこのような公式を紹介する際に感じて欲しいことは、

「なぜ?」です。

なぜ、

変化の割合の定義

を使って出した答えと同じになるのか?

今回はたまたま同じ値になっただけで、違うこともあるんじゃないか?
公式や定理に対して、いつもそういった気持ちで向き合ってほしいですね。

次にやるべきことは確認です。僕が紹介した公式は間違っているかもしれません。確認(証明)しましょう。

紹介した公式が使える場合は、二次関数のグラフの頂点が原点と一致するものに限っているので、二次関数は以下のように一般化できます。

y = ax^2( a は任意の実数)・・・(あ)

a の説明に「任意の~」と書いています。任意というのは数学ではよく使われる言葉で、「適当な数を当てはめてください」と、書いてあると思ってください。

y = ax^2( a は適当な実数)

a の部分を1や2、-3などの具体的な数を使わないのは、グラフの頂点が原点と一致するあらゆる二次関数を表現するためです。

「あらゆる~」について考えられるようにすることを一般化と言います。

(あ)のグラフ上にある2点 P、Q の X 座標をそれぞれ p 、q とすると、

P( p , ap^2)
Q( q , aq^2) となるので、

変化の割合は、

変化の割合の公式の計算
これで「 x の増加量 ぶんの y の増加量」に従って、
変化の割合 = a( p + q ) という式を導くことが出来ました。

ここまで確認、理解して、受験で使えるようこの公式を使い込んで下さいね。

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この記事を書いた人

深川 道陽

Tcial創業メンバー。学習指導の他、イベント企画やプログラミング教室等を担当(現在は退職)。高校卒業後に広告代理店で働いた後、浪人を経て横浜国立大学経営学部へ進学。大学時代はシステムトレードの研究を行いつつ大手個別指導塾で塾講師の経験を積む。その後IT企業にてスマホゲーム開発を担当。現在はWEB系エンジニアとして働いている。

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