中学生の塾の費用相場【13の塾を比較/公立vs私立】

塾の費用
  • 中学生の塾通いにかかる費用の相場は?
  • 私立中学校にいくと塾に通わなくてもいいってホント?
  • 塾の料金がわかりにくくて比較するのが大変。

小学校高学年〜中学生のお子様がいる保護者の方であればこんな悩みや心配を感じている方が多いのではないでしょうか?

また、塾に通っている/通いたいと思っている中学生の方も塾に通うとどれくらいお金がかかるか気になっている人もいるのではないでしょうか。

この記事では中学生が塾に通うとどれくらい費用がかかるのかまとめました。

参照したデータ

文部科学省が2年ごとに実施している平成28年度子供の学習費調査(文部科学省) をみると小学校、中学校、高校における学習費(学校教育にかかるお金や学習塾や家庭学習にかかる費用)の平均がわかります。

公立中学校と私立中学校を比較

中学生の学習塾費用(年額)は以下のようになります。

中学生の学習塾費の平均を公立と私立で比較
1年生 2年生 3年生
公立中学 ¥117,795 ¥162,548 ¥322,386
私立中学 ¥120,384 ¥140,492 ¥170,346

学年が上がるにつれて公立と私立の差が大きくなる

公立中学校、私立中学校ともに1年生は約12万円とほとんど同じ金額ですが、学年が上がるにつれて公立と私立の差が出てきます。2年生では約2万円、3年生では約15万円公立が私立を上回っています。

公立中学校は高校受験の影響が大きい

公立中学が学年が上がるにつれて高くなるのは高校受験準備のためです。公立中学校の3年生は2年生の約16万と比べて約32万円と2倍の金額になっています。

高校受験は多くの学校で学校の成績(=内申点)が入試の評価基準となり、公立高校受験の場合は都道府県ごとに何年生をどれくらい評価するかが決まっています。例えば私の運営する塾がある神奈川県の場合は2年生の成績45点+3年生の成績45点×2の合計135点満点となっています。

高校受験を意識し始めるとき、多くの場合はまず自分の内申点でいける高校はどこだろう?というように考えます。

そこで生徒本人としては内申点を上げたい、保護者としては選択肢を広げて上げたいということで塾に通ったり、受講する授業を増やしたりします。

高校受験では公立高校志望であれば5教科(英数国理社)の対策をするため、塾に通う回数を増やしたり、夏期講習や冬期講習や合宿などに参加することで費用がかかるというわけです。

私立中学校は塾の費用をかけずに済むのか?

私立中高一貫高は習熟度別編成や補修など学校の学習についていくための制度があり、塾にかける費用が少なくて済むという話は結構よく聞きます。私もある程度その通りだと思います。少なくとも公立より私立の方が学習を助けるシステムが整っているのは間違い無いでしょう。

しかし、私立にいけば塾に通わなくて済んだり、かかる費用を節約できるかというとそうではありません。

実は、今回使用したデータでは学習塾費の金額分布も見ることができます。これを見ると中学生がどれくらい塾に通っているか、お金をかけているかを公立・私立ごとにみることができます。

中学生の学習塾費の金額分布
公立中学 私立中学
0円 31.1% 45.2%
~1万円未満 1.7% 1.9%
~5万円未満 4.8% 6.4%
~10万円未満 6.1% 7.6%
~20万円未満 14.0% 9.4%
~30万円未満 14.6% 11.2%
~40万円未満 9.5% 6.8%
40万円以上 18.3% 11.8%
1円以上支出者の平均額 ¥294,000 ¥262,000

表の一番上、0円を見てみると公立中学校の31.1%、私立中学校は45.2%の人は塾に通っていないことがわかります。逆にいうと公立中学生の通塾率は68.9%、私立中学生の通塾率は54.8%であることがわかります。半分以上の私立中学生が塾に通っているのです。

また、塾に通っている人(1円以上支出者)の平均額は公立で約29万円、私立で約26万円であることがわかります。「あれ、最初に見たデータでは大きく差が出でなかったっけ?」と思う人もいるかもしれません。実は、最初のデータは塾に通っていない人も含めた平均、今回の金額は塾に通っている人だけの平均です。つまり塾に通っている人の支出額は公立と私立で大きな差はないということです。

確かに、公立よりも私立の方が通塾率は低く、金額も少なくはなっています。しかしその差はさほど大きくはなく、私立に入ったからといって塾に通わない=費用を節約できることを期待できるとはいえません。

塾ごとに費用を比較

ここまで中学生が塾に通う場合の平均費用や公立と私立の違いをみてきました。

次は実際に塾に通う場合はどうなるかを具体的にみてみましょう。

今回は集団塾と個別塾に分けて中学3年生の月額(税抜)で比較します。また、塾の値段はエリアによって相場が異なるため地域を私が運営する塾のある神奈川県に限らせていただきます。

塾の費用について

塾の費用は授業料以外にも以下の費用があります。

  • 授業料:毎月の費用
  • 入会金:入会時にかかる費用
  • 教材費:教材購入時に必要な費用
  • 諸経費:印刷費、通信費、管理費等で月額固定でかかる費用

中学生の集団塾の費用を比較

通常授業の月謝

まず集団塾の通常授業の費用を比較します。比較ルールは以下になります。

  • 比較する金額は授業料、入会金、教材費・諸経費の3つ
  • 週3回・5教科で比較(どの塾も週3回が基本のため)
  • 授業料は月額(月謝の目安がわかるようにするため)
  • 諸経費は年間の金額(比較しやすくするため)
中学3年生の集団塾の費用比較
塾名 授業料(月額) 入会金 教材費・諸経費(年間)
湘南ゼミナール ¥27,200(3~7月)
¥34,600(9月~)
¥15,000 ¥35,380
STEP ¥30,900(4~6月)
¥23,200(7月)
¥32,900(9月)
¥33,500(10~1月)
¥25,100(2月)
¥20,000 ¥41,200
Z会(3Kコース) ¥33,611(3~5,7月)
¥44,815(6月)
¥50,000(9月)
¥51,111(10月)
¥45,056(11月)
¥38,333(12月~)
¥15,741 ¥0
臨海セミナー ¥24,580(通常)
¥43,340(1月~)
あり(金額不明) あり(金額不明)
早稲田アカデミー(KNZコース) ¥21,620(3~7月)
¥30,417(9月~)
¥20,000 ¥31,667(教材費別)

集団塾の費用相場は30,000~50,000円

塾によってばらつきはありますが中学生の集団塾の費用は30,000~50,000円が相場のようです。

季節講習の費用

次に集団塾の春期講習、夏期講習、冬期講習を比較します。

中学3年生の集団塾の季節講習の費用比較
塾名 春期講習 夏期講習 冬期講習
湘南ゼミナール ¥31,111 ¥64,722 ¥38,732
STEP ¥24,000 ¥88,500 ¥46,100
Z会(3Kコース) ¥54,100 ¥80,600 ¥31,600
臨海セミナー 不明 不明 不明
早稲田アカデミー ¥52,593 ¥130,833 ¥66,389

季節講習の費用もばらつきはありますがどの塾も夏期が一番高く、次に冬期、春期が最も安いという順番になっています。夏期講習は期間が長いため、冬期講習は受験直前で授業の回数が多くなるためです。また、正月特訓、直前特訓、合宿などに参加する場合はさらに費用がかかります。

中学生の個別指導塾の費用を比較

通常授業の月謝

個別指導塾の場合は「費用は目標達成に向けた最適なカリキュラムによってかわります」という理由で、問い合わせをしないと授業料を教えてくれないところが多いです。料金を教える代わりに個人情報をもらうというしくみですね。

比較ルールは以下になります。

  • 比較する金額は授業料、入会金、諸経費の3つ
  • 各塾のメインとなる生徒講師の人数比を併記
  • 週1回で比較(比較しやすくするため)
  • 授業料・諸経費ともに月額(月謝の目安がわかるようにするため)
中学3年生の個別指導の費用比較
塾名 授業料(月額) 諸経費(月額) 入会金
個太郎塾(1対2) ¥15,300 ¥3,000 ¥15,000
城南コベッツ(1対2) 約¥16,000 ¥3,050 ¥0
スクールIE(1対2) ¥15,500 ¥2,250 ¥20,000
TOMAS(1対1) ¥35,000(小6の場合、中3は不明) 不明 ¥25,000
東京個別指導学院(1対2) 不明 ¥1,836~ ¥0
明光義塾(1対3) ¥14,000 ¥2,700 ¥0
臨海セレクト(1対2) 約¥14,500 不明 不明
ティーシャル(弊塾・1対2) ¥16,800 ¥2,000 ¥10,000

個別指導塾の費用相場は18,000円ほど

個別指導塾の月の授業料は15,000円前後になっています。月の諸経費と合わせると個別指導塾の月謝の相場は18,000円前後になります。

上記は週1回の金額なので週の回数に応じて比例的に高くなっていきます。(塾によっては回数を増やすと割引になることもあります。)集団塾と同じ週回数で比較すると個別指導塾の授業料は高くなります。

ただ、個別指導塾は授業回数を柔軟に決められるため、効率的なカリキュラムを組み、自習などと組み合わせることで費用を抑えることも可能です。

季節講習の費用

個別指導塾の季節講習では生徒ごとに授業数を決めることが多いです。そのため、かかる費用の幅が大きくなります。

目安としては通常授業と講習授業と合わせて普段の2倍ほどと考えておけば良いでしょう。

もちろん、とる授業の数によって授業料は変わりますから講習期間は1円もかけずに済ませることもできる一方で、たくさん授業を取った場合は数10万円になってしまうこともあります。

個別指導は一コマあたりの授業料が比較的高いため、苦手分野を全て授業時間に勉強しようとするとコマ数が多くなり費用もかかってしまいます。(ある有名個別指導塾で夏期講習100コマとか、受験前は1日7コマ授業をとったという人を知っています。)

ですから、講習授業で何をやるのか、宿題や自習では何をやるのか、授業以外のサポートはどうかまで考えて教室を選ぶことをおすすめします。

また、一部の塾では講習を自動的に受講することになるシステムになっています。入塾前にチェックして講習が不必要な場合は早めに連絡することをお勧めします。

まとめ

中学生の塾にかかる費用についてみてきました。

公立中学生は高校受験で費用がかかるということ以外は公立私立で大きな差はないこと、集団塾と個別指導塾を(同じ回数で)比べると個別指導塾の方が高いということ、集団塾は年間の価格が決まっているが個別指導塾は柔軟に変えられることがわかりました。

あなたの塾選びの参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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