教材・本の紹介

総合的研究 数学I+A/Ⅱ+B/Ⅲの特徴と使いかた

総合的研究 数学とは

『総合的研究 数学』は数学の参考書です。

チャートシリーズと大きさや厚さが似ていますが、内容は大きく異なります。チャートシリーズが、たくさんの解法を網羅的に学習することを目的としているのに対し、『総合的研究 数学』は定理の意味や公式の意義などを詳しく伝えることによって、基礎的な数学の考え方を身に付けることを目的としています。

大学入試対策の参考書としてはもちろん、社会人が高校数学を学びなおすのにもおすすめです。

教科書や従来の参考書では、いろいろ書かれているわりに、読者が一番知りたい肝心なことは省かれている傾向があります。本書は、ここを重点的に丁寧に解説しました。ですから、しっかり読んでもらえばスムーズに理解してもらえるはずです。本書は気楽に読めて即効的な力がつくことを謳うものではありません。しっかり読む人に、数学的な心と考えること理解することの喜びと力を伝えるものです。
旺文社HPより

総合的研究 数学の特徴

総合的研究 数学の特徴をざっくりまとめると以下のようになります。

  • 教科書調・講義調の解説で定理の意味や公式の意義などを丁寧に解説
  • 高校数学全体を支える基礎力を築くための解説と問題
  • 基礎レベルから難関大合格レベルまでのスムーズな接続

総合的研究 数学の基本情報

教材名
総合的研究 数学[I+A/Ⅱ+B/Ⅲ]
著者
長岡亮介
出版社
旺文社
サイズ
B5判
ページ数
752ページ(I+Aの場合)
価格
税込1870円(本体価格:1700円)
販売
市販教材

総合的研究 数学の構成

解説本文・練習問題・解答が一冊にまとまっています。

はしがき

巻頭には『総合的研究 数学』の特徴である「はしがき」「本書の特長と利用法」があります。なんのために数学を学ぶのかからはじめ、この本が書かれた目的や経緯、使い方が12ページ(ⅠA版)にわたって語られています。

各章の構成

単元は一般的な教科書と同様ですが、順番が教科書とは多少異なります。ⅠA版では数Ⅰの「図形と計量」の後に数Aの「平面図形と空間図形」が続くというように、単元間の学習の流れが考慮されています。ⅠA版の目次は以下になります。

  1. 第1章:数と式
  2. 第2章:集合と論理
  3. 第3章:方程式と不等式
  4. 第4章:二次関数とその応用
  5. 第5章:整数の理論
  6. 第6章:図形と計量
  7. 第7章:平面図形と空間図形
  8. 第8章:順列と組み合わせ
  9. 第9章:確率
  10. 第10章:データの分析

解説本文

教科書調・講義調の解説が『総合的研究 数学』の中心です。定理の意味や公式の意義などが丁寧に解説されています。

また、発展的内容を解説した「研究」、生徒からの質問という形式で本質的な問いに答える「質問箱」、高校数学の外側を垣間見える「コラム」といったコーナーが用意されています。数学の概念や問題の背後を物語的に読むことで、読書としての面白さも追求した参考書となっています。

例題・問・章末問題などの問題が多数載っています。チャートほど解法パターンが網羅されているわけではありませんが、解説本文を読みながら解くことで、スムーズに数学的理解が深まるような問題が厳選されています。

例は解説本文中にでてくる問題と解答がセットになった問題です。

解説本文や例の理解を、確認するための基本問題です。解答は巻末に載っています。

例題

学習上重要で大学入試に向けても役にたつ解法を学ぶための問題です。チャート等と同様のつくりで、問題と解答が同じページに載っています。

章末問題

大学入試対策用の実戦的な問題が各章ごとに2~4pのっています。複雑さによってAとBの二つの難易度に分かれています。解答解説は巻末に載っています。

問や章末問題の解答

巻末には問と章末問題の模範解答が載っています。ところどころ、解く時のポイントや別解や模範解答との比較が補足されています。

総合的研究 数学の難易度

例題には5段階の難易度が設定されています。「本書の特長と利用法」によると☆1は「100%マスターしてほしい問題」、☆5は「普通の高校生なら解けるはずのない難問」とされています。(☆5は全問題の5%ほど)

本文は教科書レベルかはじまり難関大合格レベルまでのスムーズな接続されており、楽しみながら読み進めていくことができますが、解説本文・問題の全てを完璧に理解しようとすると難易度が高いといえます。(筆者の方も「本書の特長と利用法」で《戦略的保留》が大切だといっています。)

どんな人におすすめか?

数学の基礎力をつけたい人

『総合的研究 数学』は「数学の基礎概念の意味」や「基本的な問題解決の技術の根拠」をわかりやすく丁寧に説明することが目指されています。本書を通読することができれば、本質的な数学の基礎を身につけられるでしょう。

難関大を目指している人

本文で取り扱われている内容、章末問題のレベルから、大学受験の中でも難関大学を志望している人向けだといえます。特に記述式の解答が求められる、国公立大学志望の人にはおすすめです。

高校数学を学び直したい人

久しぶりに高校数学を勉強する人にもおすすめです。解説は単なる事項の羅列ではなく読者に語りかけるように書かれており、文体は堅めではあるものの、ストーリーを読み進めていくような面白さがあります。

総合的研究 数学の使い方

本文・例・例題を読み、問を解く

本文・例・例題を読みます。ここが『総合的研究 数学』の最大の特徴なので、読み飛ばさず丁寧に読むことをお勧めします。例題は読みながら書いてみるのもおすすめです。

問のところまでいったら、そのまま解きすぐに丸つけしてしまいましょう。

間違えた問や例題を解き直す

間違えてしまった問や例題は、章末問題に移る前に解き直しておきましょう。

章末問題を解く

ここまでの内容が十分理解できたと感じたら章末問題を解きます。「本書の特長と利用法」にも書いてありますが、はじめは独力で時間をかけて挑戦して良いと思います。

総合的研究 数学で勉強するときの注意点

解法を網羅的に習得するための参考書ではない

そもそも『総合的研究 数学』は、「解法の暗記」ではなく「数学の考え方」を理解するための参考書です。よって解法を網羅的に習得したいという人にとっては問題数が足りません。そのような場合はチャート等を使用すると良いでしょう。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

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この記事を書いた人

坂本 諒

ティーシャル代表。数学、物理、化学などを担当。

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