英語の「法」について

こんにちは。今日からセンター試験当日です。受験生たちは朝の早い時間から頑張っていますね…。前日であるきのうは、会場を下見に行って戻ってくる時に電車を間違えた、という生徒もいました。本番の行きじゃなくてよかったよかった。

遅くまで残って英語や数学の確認をしている生徒もいました。本番でとにかく問題の読み落としをしないで、力を発揮できることを祈っています。

1. 仮定法の「法」って何?

昨日は、月曜日に風邪でお休みだった生徒に振替の授業をしました。卒業試験が近づいているということで、有終の美を飾れるようにしっかりサポートしなくては。と思います。

英語は仮定法が範囲になるので、「法」の話をしました。仮定法の「法」って不思議じゃないですか?僕はいつも、「法律」の法とは随分違うなあ、と思うのですが、皆さんはどうでしょうか。

でも、今こうやって書きながら、数学の「加減法」「代入法」のことを思い出しました。この「法」は、「方法」の「法」ですよね。「消去法」とかもそうだ。まとめて「解法」なんて言ったりもしますね。

2. 英語の三つの法:直説法/仮定法/命令法

仮定法は、何かに答えを出すための方法ではないけれども、相手に自分の言いたいことを伝える(これを【叙述】ということにしましょう)ための、三つのモードの中の一つです。このモードのことを「法」を訳しています。(後二つは、直説法と命令法といいます。)

仮定法とは、事実に反する、事実とは違うことを述べる時に使われるモードで、「お小遣いが5兆円だったら」「食べても食べても太らない体があれば」「24時間寝ないで活動できれば」という、「ないけどね」という思いを裏に秘めた願望や仮定を言葉として述べる時に使います。

今の例は、過去ではなく今に関わるありえない仮定ですが、人間は過去にまつわる「あの時こうしていれば」「あれがこうだったなら」という思いを抱くことがありますね。例えば友達と喧嘩して「なんであんなこと言っちゃったんだろう」とかですね。このような時も、仮定法の出番です。

語り手の現在に関わる仮想を「仮定法過去」、語り手の過去に関する仮想を「仮定法過去完了」と言います。現在を過去、過去を過去完了というので混乱するかもしれませんが、使われる動詞の形をもとにネーミングしています。

仮定法過去:If I were a rich man, I could buy her that necklace.
 もし自分が金持ちだったら、彼女にあのネックレスを買ってあげられるのに。

仮定法過去完了:If it hadn’t been for my mistake, we could have won that game.
もし僕のミスがなければ、勝っていたのに。

このような想像を、現実に反する仮の想像ということで、反実仮想と呼ぶことがあります。学校の先生が使うかもしれないので、覚えておくと得でしょう。

3. 直説法と開放条件(Open condition)

このような条件や仮定とは別に、現実としてありうる仮定をするとき、これを開放条件と言います。例えば野球の試合で、「相手が右ピッチャーだったらこっちは左バッター、相手が左ピッチャーなら右バッターを代打に送ろう」というようなとき。あるいは、道路が混んでいたら電車で行こう、みたいなときですね。

If the highway is too crowded, we will take the train.
高速が混んでいたら、電車でいこう。

余談ですが、プログラミングにおいては、よく「ユーザーがAのボタンを押したらaのサイトに行く。Bのボタンを押したらbのページに行く」というコードを書く場面が出てきます(条件分岐と言ったりします)。ユーザーが男なら◯◯、や、神奈川県在住ならこの情報を出す…とかですね。プログラミングと英語の文法が近くにあることを、時々感じます。

このように、「◯◯なら…」という条件の部分が十分に起こりうる、と思っている場合は、直説法といっていわゆる「ふつうの」文の書き方をします。仮定法とセットにして覚えておくといいかなと思います。

以上、英語の法(仮定法)について授業をもとに書いてみました。

英語の法はモードのことである、と途中で書きました。実は、法は英語でmoodと言います。ムード、これは気分のことですね。

ムードとモードは同じ言葉から派生したと言われており、英語の法とはつまり、話し手の気持ちによって動詞の形を変える、言葉の法則なのだということもできるかもしれません。みなさんの英語の理解に、参考になれば幸いです。また次回。

私たちは、横浜にある小さな個別指導の学習塾です。

一般的な学習塾では、予め決まったカリキュラムに生徒を適応させることが重視されています。

私たちにとってもカリキュラムは大切なものですが、勉強を通じて生徒自身が「どう勉強したいか」考えて行動できるようになることが、勉強を楽しむことに繋がり、長期的な学力の向上に貢献すると考えています。

「勉強する力をつけたい」「どうせやるなら勉強を好きになってもらいたい」という方は是非ティーシャルをご検討ください。

この記事を書いた人

片岡 正義

主に国語・英語を担当。言語を理解する上での「からだ」と「あたま」の双方から楽しみを感じられるような授業をしたいと思っている。

記事一覧 プロフィール
お問い合わせ 無料体験